クイーンズギャンビット解説 第6話 ーチェスプレイヤーの視点からー

昨年(2020年)世界中でヒットしたチェスをモチーフにしたドラマ「クイーンズギャンビット」ではチェスに関する用語などが多用されていますが、なんら説明がされていないことが多いです。

アメリカ人の方なら分かるからとか、説明が入っているとドラマの雰囲気を壊すからとか理由は色々あると思いますが、チェスに馴染みのない普通の日本の視聴者には難しいシーンも多い気がします。

本記事ではチェスプレイヤーの視点で説明を加えさせていただこうと思います。記事の内容上、ネタバレがある程度あるので、お気を付けください。

引用元「クイーンズギャンビット」 Netflix
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ニューヨーク

全米選手権のあとベニーにトレーニング相手になってやると言われたベス、ニューヨークにやってきます。

ベニーの部屋

写真:Netflix 「クイーンズギャンビット」

ベニーの部屋はチェスセットとチェスの本、それ以外は生活最低限のものしかないように見えます。普段のふざけた態度とは異なるストイックな雰囲気の部屋にベスは(たぶん)驚いたようです。

詰めチェス

ベニーの友達のグランドマスターが現れ、詰めチェスやるかと誘ってきます。

詰めチェスという訳語は厳密にはあまり正しくありません。ここで言及されているのは「プロブレム」あるいは「スタディ」と呼ばれる作為的に作ったチェスの問題局面のことです。

ベスは「実戦の局面に現れないから意味がない」と言いますが、その際のグランドマスターたちの表情がいいですね。このような実戦の役に立たないという話は「あるある」なリアクションだと思います。ま、私もほとんどやったことないですけどね。

ベスの発言を気にせず、そのグランドマスターはベスにプロブレムの問題を出します。このような経験によってベスのチェスプレイヤーとしての幅が広がっていくのが分かります。

早指しの多面指し

グランドマスター3人相手に早指しの多面指しをすることにしたベス、早指しが苦手だったはずが、3人とも凹してしまいます。第5話ではベニーに全く歯が立たなかったはずのベス、どんどん強くなっています。いや、ちょっと強すぎますね。

そして、44分付近での局面、これは有名な「オペラゲーム」ですね。

Paul Morphy vs Duke Karl / Count Isouard (1858) A Night at the Opera

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パリ

パリでのトーナメントで世界チャンピオンボルゴフとの再戦に臨みます。

大会前の記者会見

他のスポーツ競技と同様に、大きな大会前には参加者の記者会見が行われます。既に有名人で、かつ「女」であるベスには記者からの多くの質問に「おりこうさん」に答えているベス、クレバーだと思います。

記者からのボルゴフ戦に向けてコメントを求められた際の「機内で寝て時差に備えました」という返答は、メキシコでのエレベータ内での会話への皮肉かもしれません。

ボルゴフとの一戦

試合の合間にも勉強を欠かさず、いつも以上に真剣にトーナメントに臨んでいるベス、ところが、、、、

具体的には本編を見てください。しかし、ひどいですね。

ここで、このクイーンズギャンビットの第1話冒頭のシーンが現れます。パリでのトーナメントのボルゴフ戦の前のシーンだったわけです。

二日酔いで試合に臨んだベスは当然のごとく敗れます。

試合を終えて、アメリカに戻ったベスは酒浸りの日々、そこに訪問者が来るのですが、、、、

まとめ

ベスがどんどん強くなっており、かつての強敵も歯が立たない。世界の強豪たちもなぎ倒し、あとは世界チャンピオン倒しちゃえよ、というところまできたのですが、そう簡単にお話は終わりません。

チャンピオンに敗れていったん落ち込んだベスが、何らかの理由で立ち直って次で倒すんでしょ?という話が見えますが、私は最終話結構好きですよ。

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