エンドゲームを勉強しているとキースクエアという概念を聞くこともあるかと思います。何やらそれが分かっていれば色々なことが理解できる概念のように思われがちですが、実践的には知っておくと便利な知識かな、と思います。そして、知識としては数種類ぐらい知っていれば十分だと思うので、本記事では最も基本的なキースクエアについて紹介します。
キースクエアとは
キースクエアとは、そこにキングが侵入すれば勝つことができるマスのことです。ではこのキースクエアを知っているとどんなメリットがあるでしょうか?
一般にエンドゲームでは、「相手キングをチェックメイトする」というチェスの目的が「味方のポーンをクイーンにする」というより予見しやすい目的に変わります。こうなることで、相手キングをチェックメイトするまで読む必要がなくなるわけです。
一方で、キースクエアが分かっていると、チェスの目的が「キースクエアにどうやってキングを移動するか」に変わります。より短い手数の予見しやすい(読みやすい)話になるわけです。
ただし問題は、特定のポジションにおけるキースクエアってどこ?ということになるかと思います。以下で実践で最も大事なキースクエアを紹介します。
最も基本的なキースクエア
最も基本的なキースクエアはキングとポーン1つのエンディングです。
端ポーン以外
aまたはhファイルのポーン以外では、キースクエアはポーンの正面3列のポーンよりも2歩前になります。図を見た方が分かりやすいでしょう。
基本的にこのマスに白キングが入れば勝てます。入った瞬間に白ポーンが取られる(位置に相手キングがいる)場合はもちろんのぞきます。
ポーンが4段目よりも進んでいる場合には一歩前のマスもキースクエアになります。
端ポーンの場合
ポーンエンディングに関して、端ポーンの例外事項がある関係で、aやhのポーンに関してはキースクエアが異なっています。
端ポーンに関してはポーンの位置に寄らず、隣接する列の7段目または8段目の位置がキースクエアになります。
繰り返しですが、このキースクエアはポーンが何段目にいるかに依存しません。より厳しい条件になっています。また、キングだけ先行してキースクエアに入ってもポーンを取られてしまう事態を生じやすくなります。
クリティカルスクエア
最近私が紹介したAmateure to IMの中で、クリティカルスクエアという概念が紹介されていました。基本はキースクエアと同じなのですが、そのマスに入っても勝利は確定せず、ポーンを取れることが確定します。キースクエアと同じく、相手のキングの位置によって次の手で自分のポーンが取られてしまうような場合には成立しません。
このクリティカルスクエアの基本は白と黒のポーンがお互いにぶつかり合っている状況です。この場合には相手のポーンの横3マスがクリティカルスクエアになります。
また、端ポーンの場合には当然片側だけになりますが、横3マスであることは変わりません。
このクリティカルスクエアですが、このマスに入るだけでは勝ち負けは決まりません。ポーンを取った次の手で相手がオポジションを取ってドローに持ち込めることが多いからです。
では、どのような場合に重要かと言えば、ポーンを取る=勝ちが成立する場合です。
例えば、6段目にポーンが進んでいれば端キングの例外事項で勝てます。
また、ポーンが他にも存在していれば、当然勝てます。
このように、ポーンを取る=勝てる局面ではクリティカルスクエアはほぼキースクエアの役割をすることになります。
まとめ
エンドゲームにおけるキースクエアとそれに付随するクリティカルスクエアについて解説しました。より複雑な局面のキースクエアを見つけて、それを利用して勝つ、というような使い方もあるのでしょうが、私はここで紹介した基本だけ知っていればひとまず十分かな、と思っています。
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