私としては初めて白番初手e4のレパートリー本を紹介します。
今回紹介する本
白番向けのレパートリー本で、初手e4に対するすべての黒の応手に対してレパートリーが組まれています。名前の通り、比較的シンプルな(複雑にはならない)変化が紹介されています。
採用されている主な変化
代表的な変化は以下になります。
1.e4 e5にはスコッチフォーナイツ
シシリアンにはロッソリーモまたはモスクワ
カロカンにはツーナイツ
フレンチにはエクスチェンジ(!)
などです。スコッチフォーナイツとは1.e4 e5 2.Nf3 Nc6で3手目にd4を突くのではなく、3. Nc3 Nf6の後に4.d4とする変化です。この変化を採用しているため、ペトロフ相手にも似たような形で戦える
ことはこの変化の利点でしょう。当然、3手目に黒がNf6以外を指してくることもあるので、その場合にはスコッチとは異なる変化になります。
また、フレンチにはなんとエクスチェンジバリエーションを採用しています。一時期Twitter上でエクスチェンジバリエーションに憎悪をむき出しにするフレンチプレイヤーのツイートが流れたことがありましたが、相手の嫌がることをするのが戦いの基本ですので、これは買うしかないですよね!?
Chessableにもこの本を元にしたコースがあり、Chessableユーザーはそちらを検討してもよいでしょう。
個人的な評価
個人的には初手e4にしては定跡のセレクトが保守的すぎるかな、とも思います。ただ、内容は膨大な変化などなく、説明と的確な変化手順を紹介しているように見え、好感が持てます。フレンチプレイヤーに後ろから刺される事態さえ避けられれば、おススメできる本だと思います。
また、同じ著書のシリーズとして初手d4に関するレパ本”Keep It Simple 1.d4”も出ているので、d4プレイヤーはそちらを検討してみてもいいでしょう。
まとめ
今回消化した本は、私がChessMoodに入会する前に使おうかなと思っていたレパ本で、全体的に手堅く、アグレッシブなプレイヤーには物足りないかもしれません。ただ、こういったレパ本はすべてそうですが、すべての変化を採用する必要はなく、自分が気になる変化があれば買ってみればいいと思います。
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