エンドゲームの戦略に関する古典的名著

エンドゲームと聞くとどのようなイメージでしょうか?「このポジションは勝ち」、「このポジションはドロー」というような知識を体系化したものという印象があると思います。実際、現代のエンドゲームの本のほとんどがそのような形式です。しかし、エンドゲームにおける戦略という概念を確立したともいえる、名著があります。

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今回紹介する本:Endgame Strategy

Endgame Strategy

Mikhail ShereshevskyのEndgame Strategyは、かの有名なDvoretsky’s Endgame Manualと同じくらい知名度の高いエンドゲームの本ではないかと思います。ですが、内容はかなり異なります。

Dvoretsky’s Endgame Manualが主にエンドゲームの知識について扱っているのに対して、Endgame Strategyではどのようなポジションが勝ちやドローなのかということは一切扱っていません。この本では、エンドゲームではキングをアクティブに使う、などといったエンドゲームを指す指針について扱っています。

私が持っているのは、白とピンクの表紙の旧版です。2022年に改訂された現行版とは異なるかもしれません。率直に言えば、失礼ながら著者がまだご存命だったのかと驚きました。

エンドゲームにおける戦略

エンドゲームにおける戦略と言えば、「キングを使う」、「勝っていても急がない」、「相手の弱点を二つ(以上)作る」などは聞いたことがあるかもしれません。

この本の目次を見るとそれらの項目もありますが、「ツービショップ」や「3対2のクイーンサイドマジョリティ」など一見するとエンドゲームの戦略とは関係ないように思える項目もあります。私自身もそれほど理解できているわけではありませんが、エンドゲームにおける戦略は多くの人が思っているよりも多岐にわたるということだと思います。

この本を読む意義

エンドゲームは知識か?と聞かれれば、まぁ、そうかなと私も答えると思います。ただ、知識を知っていればエンドゲームを強くなれるかと聞かれれば、強くNoと答えるでしょう。

エンドゲームを指すうえで知識は必ず必要ですが、知識を知っていても強くはなれないと私は思っています。

一通りエンドゲームの知識を勉強したけれども、どうもエンドゲームに苦手意識があるという方はこの手の本を読むことをお勧めします。

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まとめ

正直私も持っていますが、そんなに読み込んだわけではないので紹介するのは気が引けたのですが、いわゆる名著を日本チェス界に紹介するのも私の役割かな、と思いました。

ちなみに、私が持っている旧版は200ページ強ですが、最新版は350ページ以上になっており、現行版ではかなりの拡充が予想されます。

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