チェス戦術大全4 ー 駒の効きへのアプローチ ー

今回紹介するモチーフは相手の駒そのものではなく、相手の駒の効きを遮ったり、自分の駒の効きを開けたりするモチーフです。

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クリアランス
Clearance 

クリアランスとは、タクティクスを成立させるために味方の駒が邪魔になっており、その駒をどけてタクティクスを成立させるモチーフです。

黒キングが危ないのは分かるでしょうが、すぐに決め手があるのは分かるでしょうか?

Rh7+!

g7のマスをクイーンに明け渡す(クリアランスする)手です。

黒はKxh7と取るしかありませんが、Qg7#でチェックメイトです。

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インターフェアランス
Interference 

インターフェアランスは守り合っている敵の駒どうしの間に自分駒を配置し、相手の駒の連携を断つモチーフです。

黒、圧倒的攻勢ですが、a6のクイーンがe2のビショップを守っており、ひとまずチェックメイトを防いでいるように見えますが、、、

Bb5で白のポジションは崩壊します。このビショップがクイーンへの攻撃になっているのもポイントで、Qxe2#の狙いがあるので白はクイーンを逃げることができません。

爆弾投下
Throwing a Bomb

ChessMoodの講座で紹介されていたモチーフです。「爆弾投下」というフレーズはこれまで聞いたことがなかったので、ChessMoodのオリジナルかと思います。基本的にはインターフェアランスの応用版で、2種類以上の敵の駒の効きを一度に妨害し、その連携を断つモチーフです。

上図では、黒キングはNg6またはNe6でメイトになりそうです。黒のルークとビショップがそれぞれe6、g6のマスを守っています。両方を一度に妨害する方法が見えるでしょうか?

Be4!で両方の効きをふさがれてしまいます。黒は取るよりほかありませんが、どちらで取ってもメイトです。

X線・エックスレイ
X-Ray

エックスレイとは、間に邪魔な駒があるため直接守られていないが、間接的に守られている状態とそれを利用したタクティクスのことです。

説明だけだと分かりにくいと思いますが、上図のポジションがその例です。e1の位置は黒のクイーンによってのみ攻撃されているように見えますが、X-rayによりe8のルークにも攻撃を受けています。

上図はe1のルークを取った後のポジションです。e1のクイーンは直接は守られていませんが、次に白がRxe1と取っても、Rxe1と黒ルークで取れます。これがX-rayと呼ばれるモチーフです。

まとめ

本記事では敵駒の連携の隙を突くようなタクティクスのモチーフを紹介しました。このようなタクティクスは少し難しいタクティクスになると頻出です。しっかり意識しましょう。

著:アーヴィング・チェルネフ, 翻訳:水野 優
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