全日本チームチェス選手権 2022 展望 ーEのチェスコラム6ー

3年ぶりに開かれるチーム選手権、その概要と展望について記事にしてみました。

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全日本チームチェス選手権

NCS主催で唯一のチーム戦によるチェス大会です。1チーム4人同士で対戦しますが、チームメンバーとしては5人まで登録が可能で、休み番を作ることができます。コロナの影響で、実に3年ぶりの開催です。

チームメンバーは基本的に自由に組むことができ、特定のチェスクラブに所属しているなどの規定はありません。また、友達がいない適当なメンバーがいない人のために、個人登録をするとNCSがチームを組んでくれるというシステムが初めて導入されています。

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チーム戦の特徴

チーム戦の勝敗

チーム戦ですので、チームでの勝敗で勝ち負けがつくことになります。それぞれのメンバーの勝敗で、勝ちが1pt、ドローが0.5 pt、負けが0 ptで獲得したポイントが多い方が勝ちになります。つまり、2 ptを境にして大小で勝負がつき、両者2ptでドローです。

一方で、チームとしてのポイントは勝ちが2 pt、ドローが1 pt、負けが0 ptとなっており、このチームポイントの合計で順位を争います。このポイント設定だと個人の設定の値の2倍になるだけなので同じでもいい気がするんですけどね。

ボード順などの戦略

せっかくなのでチーム戦ならではの要素についても紹介しておこうかと思います。チーム戦は各チームの構成メンバーの順番(ボード順)が決まっており、その順番通りに2チームの対戦相手が決まります。ただし、このボード順はレーティング順である必要がありません。このため、4番目に強いプレイヤーを置いておき、得点源にする戦略をとるチームもいます。大概のチームがレート順にボード順を決めることが多く、4番目が一番勝ちやすいことが多いからです。

また、5人チームメンバーがいる場合にはどのメンバーを休ませるかによって、ボード順が変わります。対戦相手が変わるので、相手チームに準備させないような戦略を取ることもあります。まぁ、1日で3試合行う大会なので、準備にかけられる時間は元々限られていますが、、、

優勝候補

Chessresultsのページを見るとチームの平均レート(上位4人の平均レート)順に並んでいます。私見では上位6チームが入賞争いに絡んできそうだなと思っています。

代表クラスを集めた大阪シニアと8×8ブランダーズ

前回大会で優勝した我らが8×8ブランダーズですが、前回メンバーの一部に振られてしまったので、新しいメンバーを探していました。色々声をかけた結果、とんでもないチームができあがってしまいました。1BのIM南條君を筆頭に、2022オリンピアード代表の小林厚彦君、数々の代表経験がある山田弘平君、ビックボス(?)東野さん、久々の公式戦ですが、元ジュニア代表の佐藤要君の5人です。

一方で、毎回ガチメンバーを集めてくる大阪チェスクラブが、今回は日本代表1番ボードのtuさんを引き込み、すごいメンバーを構成しました。オリンピアード2022代表のビビーサイモンさん他、平均レーティングは2298と、ブランダーズを抑えて1位に立っています。

どう考えても、この2チームを中心に優勝争いが繰り広げられるかと思います。この2チームからチームポイントを取るチームがどれぐらいあるかというのが優勝のポイントになりそうです。

兵どもの夢 Old boys

チーム戦恒例として、ベテランの仲良し強豪プレイヤーが集まってチームが組まれます。今回の大会ではOld boysがそのチームになります。今回も強豪が集まってレート順3位だったのですが、どうやらチームメンバーの変更があったようで、平均レーティングが落ちています。

また、この手のベテランチームの常として、なぜか結果が冴えないことが多い印象があります。平均レート圧倒的一位で参加した大会も何度かあったはずですが、私の記憶にある限り、ベテラン強豪チームの優勝を見たことがありません。ブランクがあるメンバーがいるからか、夜の親睦会がメインだからなのか、、、

とはいえ、地力のある強豪で構成されるチームなので、優勝争いを左右する存在には違いありません。

注:チーム名が変更され、Nurtureになりました。

秘密兵器投入 千葉チェスA

毎回1番ボードにTuさんを擁して戦ってきた千葉チェスクラブAチームですが、今回は大阪に奪われてしまいました。ところが、小笠さんの人脈の広さなのか、とんでもない秘密兵器を投入してきました。数年前に突如日本人FIDEレーティング1位に躍り出た岡さんです。海外を拠点として活動していたために国内ではその実力はいっさい不明です。

千葉チェスAは2番ボードの小川とみーさんもレート2100の強豪で、1、2番ボードが勝てばドロー以上が確定するので、大阪やブランダーズからポイントを取ることも考えられます。

伏兵 Aichi Champions

平均レート以上の力がありそうなのがAichi Championsです。名古屋チェスサークルのチームですが、2000以上が2人に1800台、1700台の4人でバランスが取れています。また、2000以下の二人も近頃ブイブイ言わせているプレイヤーで、レート以上の成績が出せれば優勝争いに絡んでくるかもしれません。

Tabiya Chess Club

私個人はTabiya Chess Clubを全く知らないのですが、外国人のプレイヤーで構成されたチェスクラブだと認識しています。今回のチーム戦では、プロチェスプレイヤーの小島さんとその同級生の汐口さん(レート2000オーバー)をチームに引き入れています。この二人が勝利すれば上位からポイントを取る可能性もあります。

また、下位ボードの外国人プレイヤーの実力が不明な部分もあり、そこ次第で優勝に絡んでくるかもしません。

その他の注目チーム

基本的には上記で紹介した上位6チームが強いと思いますが、もう1チーム注目するとすればTodai Chess Circle Aチームでしょうか。名前の通り、東大チェスサークルのチームです。1番ボードは2000台、2番ボードは1900台のレートで、このところの大会で好成績を挙げています。

一方で、3番、4番ボードがレート1400台ですが、この二人が現状でどの程度の実力なのか個人的には気になります。現状のランキングでは9番目ですが、3番、4番ボードの頑張り次第では6番前後の実力があるチームではないかと思います。

個人的な展望

上記の情報を元に私個人の予想というか展望を書いておこうと思います。

チーム選手権は例年2チームの強豪チームによって優勝が争われることが多いです。今年で言えば、大阪シニアと8×8ブランダーズです(実は前回もでした)。基本的にこの強豪チームは全勝で勝ち進み、この2チームの直接対決の結果が最も優勝の結果を左右します。あるいは、この2チームの対戦が引き分けに終わり、他のチームとの対戦でポイントを落とした方が優勝を逃します。実際、前回は大阪チームが本郷チームとドローになったため、ブランダーズが優勝しています。

一方で、私は今回はもう少し混戦なのではないかと予想しています。プロプレイヤーの小島慎也さん、日本人FIDEレート1位になった岡さんといった「1勝が期待できるエース」を擁するチームが複数あるためです。これらのチームが大阪とブランダーズからどの程度チームポイントを削ることができるか、優勝争いはそこにかかっています。

最後に私の予想としては、本命は希望も含めてブランダーズ対抗に大阪シニア大穴にAich Championsとします。ガチガチのつまらない予想ですが、やはり優勝はこの中で堅いのではないかと思います。ただ、優勝チームはこの3チームの中からだと思いますが、2位、3位は別のチームが入ってきてもおかしくないと思っています。

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