Build up your chess

世界選手権も今日は休息日です。久々書評をしようと思います。
チェス本の中でも、トレーニング本と言われるジャンルの本は数多くあるように思いますが、本当にトレーニングに使える本というのはほんのわずかしかないと思われます。これは我々読者の側(主に大人)に問題があると思います。多くの人はチェスが強くなりたい、と表向き言っていながら、本当に欲しているのは、本を読んで、ふんふんと頷いて、分かったつもりになることだからです。当然ながら、書き手の方でも読者の望むような、読んでふんふん頷いていればいいような本を書くことになります。
と、前置きが長くなってしまいましたが、今回紹介するBuld up your chessはそのような数少ないトレーニング本です。著者はDvoretskyの弟子で80年代のトッププレイヤーであるYusupov。彼が自身のチェススクールで教えた内容を本としてまとめたものです。レベル別に3冊に分けられています(公称Under1500、Under1800、Under2100)。どの本も全部で24章に分けられており、1章ごとに4-6ページほどの解説と12問の練習問題が配置されています。章の内容はTactics、一般的なオープニングの考え方、具体的なオープニングレパートリー、ポジショナルプレイ、エンディング、その他プランの建て方や局面評価の仕方など、およそ考えられるあらゆる項目が含まれています。
この本を読むことで全ての知識が得られる!!等とは考えないでください。そんなことより大事なのは、細分化された項目全てに12問の練習問題が付いていることです。皆さんはおそらくTacticの問題集は解いたことがあるでしょう。また、ポジショナルプレイの問題集みたいなものも、解いたことがあるかもしれません。
しかし、たとえばgood bishopとbad bishopに絞った問題を12問集中して解いたことがあるでしょうか?解説のみの本ならば、2,3の例が示されて終わりになるような項目です。このような練習問題が載っている全ての項目に付いているわけです。こういう本がトレーニング本なんだと思います。
やり遂げるのは大変かもしれませんが、章立てが細かく分けられているために、1回1回が比較的に短い時間でこなせると思います。
非常におすすめです

Build up your Chess 1: The Fundamentals

Build Up Your Chess 2: Beyond the Basics

Build Up Your Chess: Mastery

コメント

  1. kawanaka より:

    1.Nb6+ axb6 2.Qxc6+ bxc6 3.Ba6# 
    全角文字も入れないとダメなのかな

  2. kawanaka より:

    Buld -> Build 
    場所を間違えた一つ前のコメントと共に削除していただいて構いません。

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