序盤から終盤まで多彩な日本語のチェス問題集

最近元チェスマスターブックスの書評を続けていますが、残りもあと2冊となりました。今回紹介する本はいわゆる「次の1手」問題集です。

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今回紹介する本: チェス 次の一手 111題

著:東公平
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問題となる局面が1ページに一つ提示されており、解答候補いくつかの中から正解を選び出すことを求められます。エンドゲームの問題などは勝ちかドローかなどの判断のみを求められる場合もあります。答えは問題図面の次のページに掲載されており、この手の本としては一般的なスタイルかと思います。

問題の内容は

  • 定跡クイズ30題
  • Next Move 30題
  • エンドゲームスタディ 30題
  • プロブレム 21題

で、タイトル通り全部で111題です。Next Moveが通常のタクティクスの問題、プロブレムは作為的に作られた局面の問題です。

棋譜の記載方法への注意

一つ注意点としては、棋譜の記載方法に特徴があることです。これはこのシリーズ全体(+ヒガシコウヘイ氏の本も)に言えることなのですが、駒を取るマークとチェックメイトのマークが現在普通に使われているものと異なっています。

この本の中では「:」を駒を取るマークとして使っており、チェックメイトは×マークです。

通常は駒を取るマークは「x」、チェックメイトは「#」です。

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個人的な評価

一通り読んでみましたが、難易度はそこそこ高いものもあり、初中級者にはちょうどいいレベルだと思います。

率直に言えば定跡クイズの項目は必要ないのかなと思いました。序盤定跡でクイズ形式の問題を作るのは難しいですし、結局タクティクスの問題になっているものもあります。

この本のメインコンテンツはNext Moveとエンドゲームスタディであると思います。定跡クイズを飛ばしてこの60題だけ解いてみてもよいのではないでしょうか。

問題集を解く前に

この本の問題は、初見の人が問題を解くには難しい部類かなと思います。その際にNext Moveに関しては「どうしたらチェスできみのパパに勝てるか」で学べばいいと思います。

一方で、エンドゲームに関する日本語の本は通常の出版社からは出ていません。渡辺暁のチェス講義ではエンドゲームについて扱われていますが、網羅的に扱っているわけではないです。そうなるとチェストランス出版の終盤の基礎知識が候補に挙がると思いますが、私は持っていないのでコメントは控えます。

エンドゲームの問題は初見で解けることもあるかもしれませんが、知識として知っていて、それを確認するために使うものだと私は思うので、ある程度勉強した後に確認用に解くのがいいと思います。

まとめ

日本語では珍しいエンドゲームの問題も含んだ問題集を紹介しました。Next Move(タクティクスの問題)とエンドゲームスタディを中心に中級者程度までの方には得るものがあると思います。

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