今回は泣く子ももっと泣く!?エンドゲームの名著を紹介します。
今回紹介する本:Dvoretsky’s Endgame Manual
今回紹介する本は、歴史上最高のチェス本という呼び声もあるエンドゲームの本です。
著者のMark Dvoretskyはかつて最高のチェストレーナーと呼ばれた人で、2016年に亡くなっています。彼の最後のインタビュー記事を、以前の記事でダイジェスト翻訳しています。興味がある方はそちらも読んでみてください。
Mark Dvoretskyはトレーナーとしてだけでなく、著者としても有名で、その中でもこのDvoretsky’s Endgame Manualは彼の最高傑作という世界的な評価を得ています。中には世界最高のチェス本であると評する人たちもいます。エンドゲームの本が世界最高と評されること自体珍しいことであると思います。
この本は基本的にはエンドゲームの知識について扱った本ですが、戦略に関する章も設けられています。また、エンドゲームに関する知識を網羅的に扱った本でもありません。つまり、特定のエンドゲームが分からなかった時に辞書的に使う類の本ではないと思います。
書籍の中には青字で書かれた部分があり、初学者はその部分だけ読めばいいとされています。最近ではFasttrack Editionという青字の内容に絞った版も発売されています。
難易度はどうなのか?
一般に非常に難易度が高いと言われるEndgame Manualですが、実際どのくらい難しいのか気になると思います。まず言えるのは、どう考えてもこの本は初学者向けの本ではありません。別の本やWebコースなどでエンドゲームを学んでからチャレンジする本でしょう。
私も昨年(2023年9月)、チーム選手権で出てきたルークVSナイトのエンドゲームについて復習するためにこの本を開きました。変化手順で「明らかに白勝だ」みたいなポジションを見て、うーん、白よさそうだけど勝てるかな?と思ってしまいました。おそらくそのレベルの解説をしていたら紙面が膨大になるということでしょう。
私は、この本を2006年に買っていますが(その時は第2版でした)、一度として通しで読んだことがありません。正直私にはレベルが高すぎる本であると思いました。皆さんもそのことは覚悟したうえで、購入を検討してみてください。そうは言ってもDvoretsky’s Endgame Manualを自分の本棚に並べてみたいですよね?
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