今回紹介するチェス本は白番向けのレパートリー本、A Strategic Chess Opening Repertoire for Whiteです。
概要
著者はSecrets of Modern Chess Strategyで有名なJohn Watson。
タイトルからして当然なのかもしれませんが、比較的「きちんとした」オープニングチョイスで好感がもてます。タイトルのStrategicはオープニング理論の「暗記」ではなく、戦略がきちんと立てられればさせるというような意味合いで、チョイスとしては最新形ではないが、比較的メインに近い
採用されている変化を抜粋すると下記のような感じです。
採用されている変化抜粋
QGDに対してはエクスチェンジバリエーション。ただし、Starting Out d4やPlaying Queen’s Gambitで採用されているNge2の変化ではなく、Nf3。
スラブにはNc3からe3と突く変化
Nimzoにはルビンシュタイン(4. e3)
キングズインディアンにはh3を突く変化
グルンフェルドには2種類用意してあり、エクスチェンジバリエーションからのBg5とQa4+です。
よい点
オープニングチョイスはいいと思います。マイナー過ぎず、メジャー過ぎず、ちょうどいいレベルが選ばれています。
悪い点
タイトルの割にはかなりがっつりとした内容です。つまり、変化もかなりの量書いてありますし、覚えなくても大丈夫というような内容でもないような、、、、
結局のところ楽にレパートリーを構築できるという本ではないです。そこそこ重い内容です。
まとめ
全体として、オープニングの内容は気に入っています。ただし、そこそこ重い内容なので、結局メインライン勉強してもいいのでは?と思わなくもないです。この本を信用して全オープニングを採用してもさほど悪くないと思いますし、一部の変化を抜粋して使うのもありかと思います。お好みでどうぞ。
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