僕はオープニングに対してはかなり保守的なタイプです。黒番でd4、e4に対して何を指すかはっきり決めていますし、最近では白番のレパートリーもかなり固定されてきました。しかも、その後の細かい変化も、覚えている範囲でかちっと指して、ほとんど変えることがありません。そんな僕ですが、近頃ではもっと色々な変化を試してみたいという欲求が芽生えてきました。
一つには、様々な序盤を指すことで、様々なタイプのポジションの経験を積む必要がある、と感じているからです。チェスの中盤以降のポジションはオープニングの選択によって概ね決まります。ですので、固定された序盤を指していると似たようなポジションばかりを指すことになり、幅が広がらない、、、、様な気がするからです。
もう一つの理由としては、New in chessの棋譜を並べる際などに、ある程度の知識があるかないかで理解度も違いますし、楽しめるかどうかも大きく変わってくるからです。
こうした目的に即した本が、今回紹介するChess Opening Essentialsシリーズです。4冊のシリーズで、最近第4巻が出て完結しました(ちなみに僕は全部持ってます)。1巻は1. e4、2巻は1. d4 d5に加えてダッチやTrompowsky、3巻は1. d4 Nf6、4巻はEnglish、Retiなどその他の序盤という構成になっています。最初にそのオープニングの簡単な歴史や基本的な考え方を説明した後、具体的な変化に移るというポピュラーなスタイルですが、あらゆるオープニングのあらゆる変化を扱っていることが大きな特徴になります。maequalsf氏はアイデア重視の序盤本と書いてますが、そこまでは言い過ぎかなぁ、と個人的には思います。好感が持てるのはすべての変化の最後にその変化に対する評価(黒十分、完全にイコール、厳密にはイコールだが白おもしろい、白やや良し等)が書いてあり、その評価の客観性が強いところです。この本だけでレパートリーを構築するのは危険かもしれませんが、棋譜調べの労苦を惜しまない人ならば、十分使えると思います。
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