Endgames from Japan League 2014 その3


enju (1897) – H, K(1698)
Japan League 2014(2)
After 55.f5 Kg7 56.Ra7+ Kg8

 さて、前回の続きです。黒は苦しいですが、黒のポーンがa2まで進んでいるのに対して、白のポーンはd5までしか進んでおらず、キングがdファイルからよけるとチェックからクイーンを作られてしまいます。手詰まりのようですが、白の次の1手で対戦相手の顔色が変わったように思いました。
57.Kd7!
エンドゲームの基本的な手ですが、この手によって白は少なくともチェックを受けずにポーンを進めることが出来ます。
57… Rd1?
これは簡単な白勝ちです。
この局面での白の勝ちのプランは、a2とd5のパスポーンを交換し、f6のポーンを取って勝つというプランです。上記の手では簡単にf6のポーンが取れてしまいます。
 黒はいずれにしろ同じ事と思ったようです。確かに、白はポーンをd7に進めることが出来ますが、黒キングがf8、f7を占めている限り、f6のポーンを取ることが出来ないので勝つことが出来ない、、、、というのがゲーム中の私の考えでしたが、間違っていました。この変化では黒は負けます。
白の勝ちのプランが見えますか?


57… Kf8
58.d6 Kg8
59.Kd8 Kf8
60.d7 Kf7



ここまで来ると見えやすいかもしれませんね。
61. Ra6!
黒は再びツーワンツンクに陥ります。
61… Kf8
62.Kc7

もちろんRxf6でも勝ちですが、こちらのほうが教育的です。
62… Rc1+
63.Kd6 Rd1+
64.Ke6 Re1+
65.Kxf6

で白勝ちです。
途中でa1=QをはさんでもRxa1 Rxa1でd8=Qがチェックになるので駄目です。
ではこの局面は黒負けだったのでしょうか?
まだ結論は早いです。次回黒のドローの筋についてみていきます。

 

 

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