トーナメントプレイヤーが初心者向けの日本語チェス本買ってみた その1

 今回、とうとうブログの記事のネタのためにチェス初心者向けの本を買ってしまいました。ネタに飢えています。

 最初に驚いたのは初心者向けチェス本の少なさです。現状新刊本で手に入るのは小島君の「マンガで覚える図解チェスの基本」と渡辺暁さんの「ここからはじめるチェス」の電子書籍版だけなんですね。

 もちろん古くからあるボビーフィッシャーのチェス入門やヒガシコウヘイのチェス入門もあるんですが、昔はもう少し選択肢があったような気がするのですが、、、中級者向けの本が増える一方で、ややバランスが悪い状況にある気がします。

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今日紹介する本

著:渡辺暁
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 言わずと知れた(?)渡辺暁さんの本です。現状(2021年3月)で紙の本の新刊は手に入らないようで、私は電子書籍版を購入しました。

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本の構成

全193ページで、下記のような構成になっています。私が持っているのは電子書籍版ですので、紙の書籍とは異なっている可能性があります。

  • 基本ルール 50ページ
  • 攻めと守りのテクニック 24ページ
  • オープニングの戦い方 38ページ
  • ミドルゲームの戦い方 30ページ
  • エンディングの戦い方 24ページ
  • 実戦から手の流れを学ぶ 11ページ

率直に言って盛りだくさんの内容です。ルールに多くのページを割いているのは当然として、オープニングに38ページ割いており、内容もチェスの定跡を一通り紹介するという非常に野心的な内容です。中級者ぐらいまでは(特に白番では)、この本のオープニングの知識ぐらいで指してもよいと思います。オープニングに関しては、調べるのが楽しいかどうか(好きかどうか)で勉強量を調整すればよいと私は思います。

初心者向け本の難しさ

 この本が初心者向けの本として最適解なのかどうかは私には分かりません。そもそも様々な「初心者」がいるはずで、「初心者」という言葉でひとくくりにしていいのか疑問があります。一つ言えることはこの本はルールを知らない初心者の人が中級者程度を目指すための本だということです。

トッププレイヤーの思い

日本語のチェス本を考える上で、著者の思いというのは外せない要素です。海外とは異なり、チェスの本を何冊も書ける環境ではありませんし、商業的な成功が見込める分野でもありません。渡辺暁さんはすでに3冊の本を書かれているので、また状況が異なっているかもしれませんが、おそらく1冊目を発売した時点ではそんなことは考えられなかったと思います。そういう意味で、本の内容は著者が知ってほしい、理解してほしい内容をなるべく多く盛り込んでいると思います。

渡辺暁さんは日本を代表するトッププレイヤーですので、読んでいる人にはチェスを楽しむだけでなく強くなってほしいという思いが強いと思います。トッププレイヤーというのは強くなることで理解できるチェスの楽しさを知っている人でもあるわけです。

この本が難しいと思っても落ち込まないで

 この本の内容は比較的高度です。ネット上の書評では「初心者に最適」、「すごく分かりやすい」などと書いてあることもありますが、本当に読んでいるのか、読んでいたとして理解しているのか疑問です。この本は初心者の人をある程度強いチェスプレイヤーにすべく考えられた本です。順々に読めばルールを知らない人でも理解できるように構成されていますが、簡単な本ではありません。読んでいて分からなくなることもあると思います。そんな時は一度本を置いて、ネットチェスを指してみる、コンピューターと対局してみるのように時間を置いてみてください。そして、もう一度読み直す時には理解が進む気がします。

 つまり、よくある初心者向けhow to本のように、一通り読んだらもう学ぶことなくて二度と読むことがないという類の本ではありません。中級者ぐらいになって読み直して初めて気が付くことがあると思います。

Eがもしルールも知らない初心者ならどう読むか

まずは基本ルールを読む(当然)

至極当然ですが、まずはルールを読みます。たぶん何回か繰り返さなければ覚えられないと思いますが、一回ルールのところを読んだら、何らかの形で対局してみてください。たぶん、Chess.comで対局できる弱いCPUがいいのではないかと思います。ネット上での対局のいいところは、駒を選択すると駒が行ける場所が表示されるので、駒の動きを覚えることにつながることです。

オープニングを真似してみる

Part2の「攻めと守りのテクニック」はひとまず飛ばして、オープニングの項目を真似しながらネットでネットでチェスを指してみます。対人間の方がよいと思います。「攻めと守りのテクニック」に関しては対局に飽きた時などに少しずつ読むのがよいと思う。同じことがPart4のミドルゲームにも言えるかな。

エンドゲームは自分のゲームに出てきてから考えよう

初心者の人であれば、最初のうちはエンドゲームに進む前にたくさん駒得したとか、逆に駒損をしたとかで勝負が決まってしまうと思います。ゲームをこなすうちにエンドゲームと言えるような局面に突入することもあるかと思います。そうなったら、Part5のエンディングの該当する箇所を読んでみましょう。

まとめ

いわゆる初心者向けの本としてはやや高度な内容かとおもいます。一気に最初から最後まで読み通すという考えではなく、読書と実践を繰り返しつつ中級者程度までを目指せる内容かと思います。まだ初心者だけど頑張って強くなりたいという方にお勧めします。

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