ロンドン システム
London system
1. d4 d5 2. Bf4
2手目でBf4と出るのがロンドンシステムの特徴です。図ではd5に対してBf4としましたが、Nf6に対してもBf4と出ます。黒が何を指してきても似たような形に組むので「システム」という呼ばれ方がしています。
手順は色々ありますが、下図のような駒組にするのがロンドンシステムです。
ロンドンシステムに関しては別記事で簡単レパートリーも用意しています。本格的にロンドンを使いたいという方はそちらの記事を参照してください。
退屈なシステム?
ロンドンシステムは序盤の勉強に時間を割けないプレイヤーご用達の定跡で、あまり激しい局面にもならなかったので別名Boring system(退屈なシステム)などと呼ばれていました。
しかし、近年キングサイドアタックを含めた鋭い狙いを持ったロンドンシステムの変化が出てきており、非常にポピュラーな定跡になっています。
現代的なロンドンシステム
下図のような手順が現代的なロンドンシステムの特徴ではないかと思います。白はNf3を遅らせています。
キングサイドアタックへの狙い
e3を突き、Nf3を遅らせる狙いはキングサイドアタックへの含みを持たせるためです。黒の応手によっては、h4からキングサイドアタックを仕掛けたり、Bd3からBxh7の狙ったりもします。その際にQh5が遅延なくさせることがポイントです。
また、Nh5を防ぐことで黒マスビショップの交換を避ける狙いもあります。
クイーンサイドからの反撃には気を付ける
ロンドンシステムでは、ビショップをf4に出し、e3をすぐに突いています。しかも黒マスビショップを出すことを優先しているので、キング周りの展開は遅れています。このため、クイーンサイドからの反撃、具体的にはb2のポーンへの攻撃には注意が必要です。
例えば、上図のようなパターンです。クイーンでb2のポーンを狙われていますが、どのように守ればいいのか迷うところです。Rb1やQc1、あとb3でしょうか。どの手もあまり指したい手ではありません。
このように、相手の手順を見ながら駒組をしていかないと隙を突かれることがよくあります。そこまで「簡単な」定跡ではないということでしょう。
Eの実戦動画
まとめ
近年非常にポピュラーになっているロンドンシステムについて紹介しました。確かに真面目に勉強するための勉強量は少ないと思いますが、黒からのトリッキーな反撃もあるので、何も勉強していないとむしろはまることがある定跡だと思います。
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