ーチェスの有名棋譜解説 3ー オペラゲーム

今回紹介するゲームは、おそらく世界で最も有名なチェスゲームです。



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ポール・モーフィー

ポール・モーフィーは19世紀半ばのアメリカ合衆国のチェスプレイヤー。彼がチェス界で本格的な活動していたのはほんの数年に過ぎませんが、その間にヨーロッパの主要なチェスプレイヤーすべてを打ち負かし、世界一という評価を受けていました。

本記事で紹介するのはオペラゲームと呼ばれ、ポール・モーフィーのゲームの中でも(というよりもチェスの歴史の中で)最も有名なゲームです。パリのオペラ座で指されたゲームであるためにこのような名前が付いています。ゲーム自体はカジュアルな設定の試合で、二人で相談して手を決めるような一種のイベントのようなゲームでしたが、その内容の華麗さからチェスの歴史に名を残すことになります。

Paul Morphy – Duke Karl / Count Isouard, Paris, 1858

1. e4 e5 2. Nf3 d6

定跡を知っている立場から見れば、ちょっと変な手だよねという印象ですが、自然な手には違いないでしょう。ポーンでe5を守っています。

3. d4

私はd4プレイヤーなので感覚はわからないのですが、黒がパッシブにセンターを守ってきた場合にはd4とセンターを開きに行くのはe4定跡の基本に思えます。

3… Bg4!?

黒のこの手はいきなりの疑問手です。

4. dxe5

このポーンを単に取り返すと、クイーン交換の後にe5のポーンが落ちます。

4… Bxf3

このため、ビショップを手放すこの手も致し方ないです。

4… dxe5 5. Qxd8+ Kxd8 6. Nxe5(下図)

5. Qxf3 dxe5  6. Bc4

気持ちの良い手。初期配置での弱点のf7を狙っています。

6… Nf6

一見、よい守りの手に見えます。

7. Qb3

しかし、クイーンが斜めから再度f7を狙います。ルークの動きからビショップの動きに切り替えたこの攻撃はいかにもクイーンの強力さを象徴する手に見えます。

7… Qe7

いかにも変な手ですが、黒は既に難しい判断を迫られています。ここでは、黒はb7ポーンを捨てて、、次にQb4+からクイーンを交換してゲームを長引かそうという狙いかと思われます。しかし、この後10手でゲームが終わるとは、、、

8. Nc3

白は、e4のポーンを守るとともにQb4+の狙いも冷静に消しました。

8… c6

黒はクイーンの横の効きを開いてb7を守ると共にd5のマスを守ります。ここで黒は動かす駒がなくて困っています。ナイトはピンにされており、クイーンはb7とf7を守らなければならない。b8のナイトをd7に展開するとb7のポーンが落ちる、などなど。なので、次の黒の手も理解ができます。

9. Bg5

黒は今度はf6のナイトもピンにされます。どんどんと動けるピースが減っていっています。

9… b5!?

b7の地点を守れないならば、突いてしまえと突いたのですが、、、

10. Nxb5

もちろん、取って優勢ならばとりますよね。

10… cxb5 11. Bxb5+ Nbd7 12. O-O-O

白はd7のナイトに圧力をかけ、フィナーレへと向かっていきます。

12… Rd8

ピンされているピースにさらに圧力をかけるのは常識ですが、Rd2とルークを重ねる準備をする必要はありません。モーフィーはより手早く片付けます。

13. Rxd7 Rxd7 14. Rd1 Qe6

f6のナイトのピンを外した上で、白クイーンに攻撃を仕掛けて、黒は一息つけそうですが、、、、
決め手があります。

チェスの歴史上もっとも有名なコンビネーションでしょう。初見という方はモーフィーのコンビネーションに挑戦してみてください。



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15. Bxd7+ Nxd7 16. Qb8+

チェスの歴史上もっとも有名なクイーンサクリファイスです。

16… Nxb8 17. Rd8#

最後はたった二つのピースでのメイト。このゲームだけでご飯が三杯食べられるのがチェスプレイヤーですよね?

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