今回紹介するのは英国の著名なチェスプレイヤー/チェス本著者であるジョン・ナンによるチェスの実戦的な要素を解説した著作、”Secrets of Practical Chess”です。
本の概要
John Nunnによるチェスの実戦的なテクニックについてまとめた著作になります。似たような本にJohn Emmsの”The Survival Guide To Competitive Chess“がありますが、私は持っていません。
通常の中盤本などの中では扱われていない、あるいは断片的にしか扱われていない内容に触れられており、独自性の強いコンテンツになっていると思います。
コンテンツ
目次としては下記のようなコンテンツになります。
- At the board
- The Opening
- The Middlegame
- The Endgame
- Using a Computer
- Chess Literature
この本のメインコンテンツは上記のうち”At the board”と”The Endgame”ではないかと思います。章立ての項目も多くなっています。
At the boardは実際の対局中に用いるテクニックを扱っており、Kotovの”think like a grandmaster“で扱われているような読みのやり方を整理する内容や時間切迫に関する項目など、示唆に富んだ内容になっています。
オープニングとしてはレパートリーの構築の仕方などが書かれていますが、当然ながら具体的な手順に触れるわけにはいかないので、全体の中では分量が少なめです。
エンドゲームに関しては、実戦的に知っておくべき内容がまとめられており、実はこの本に載っている内容だけ勉強すればOKなんじゃないかとも思います。初歩的なエンドゲームの内容を勉強した人は、ひとまずこの本のエンドゲームの項目の内容だけチェックして実戦に臨むのもいい気がします。
Using a Computerの章はPCソフトの利用方法で、データベースの使い方やエンジンを用いた解析のポイントなどを載せています。
Chess Literatureはチェスの本に関する項目で、こういう本はダメだよとかおすすめの本の紹介などがあります。
まとめ
初学者向けの内容ではもちろんありませんが、個人的には1冊読んでおいて損はないかと思います。全体を通して読むよりは、興味がわいた項目をピックアップして読むのがおすすめです。
この本はKindle版が非常に安く設定されており、個人的に購入の決め手になりました。正直紙の本を選択する理由はほぼないと思う。どうしてもという人だけでしょうね。
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