Opening impressionsはチェスの様々なオープニング（序盤定跡）について私の私見を含めて、簡単に網羅解説していこうというシリーズです。
Queen’s Gambit: Baltic Defense
ジャパンリーグのとあるゲームで出てきたので、Queen’s gambitのマイナーラインについて紹介します。
1. d4 d5 2. c4 Bf5!?
Baltic Defenseです。このように白マスビショップが簡単に展開されて、e6と普通のQueen’s Gambit Declinedにされてしまったら、白は面白くありません。3. cxd5 Qxd5 4. Nc3とする手が自然に見えますが、、、
3. cxd5 Bxb1!
このようにナイトを消してしまえばNc3でクイーンを追っ払われることもありません。これに対し、素直に4. Rxb1 Qxd5としてしまうと（下図）よくありません。
このクイーンを追っ払うのに手間がかかりますし、なによりa2のポーンも守らなければなりません。
そこで、
4. Qa4+ c6
5. Rxb1 Qxd5
このようにいったんチェックを入れておけばa2のポーンを守っているのでずいぶん印象が違います。
この記事を書いていて気付いたのですが、4. Rxb1でも4. Rxb1 Qxd5 5. Qa4+ c6で同じポジションになりますね。c6に対して4. Qa4+ c6 5. dxc6 Nxc6 6. Rxb1 Qxd4 7. Qxd4 Nxd4が独立した変化で、白の勝率が良いようです。
いずれにしろ、チェスをある程度分かっている人ほど3. cxd5 Qxd5 4. Nc3という手が見えるので、Bxb1に動揺して間違えてしまいそうな気がします。ややハメ手的な要素のある変化だと思います。
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