自戦記 from Japan League 2012 (1)

ジャパンリーグの試合から2試合ほど紹介したいと思います。
今日は3RのT, Yさんとのゲームです。
ドローになりやすい局面から小さなチャンスを勝ちに結び付けることが出来たと思います。


□T, Y (1816)
■ enju (2017)

Japan League 2012 (3)


1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. Nc3 Bg7 4. e4 d6 5. Be2 O-O 6. Nf3 e5 7. dxe5



King’s Indian Defenseのexchange variationです。皆さんはレート2000以上のプレイヤーはどんな定跡にもきちんと準備をしているだろうなぁ、と思っているかもしれませんが、少なくとも私にはこのようなrare lineを十分に準備する余裕はありません。
7. … dxe5 8. Qxd8 Rxd8 9. Bg5
以前も紹介したように、ここでNxe5はNxe4があります(さらにNxf7にはBxc3でピースが落ちる)。
9. … Re8 10. Nd5 Nxd5 11. cxd5 c6



単に駒交換をしているだけに見えるかもしれませんが、黒は常に白の展開を妨害しています。exchange variationはゆっくり構えてしまうとあっという間に悪くなる可能性を秘めているlineでもあります。
12. Bc4 b5
Bb7と展開する時間的余裕を作る一手です。このあたり、かなりうろ覚えですが、何とか指しています。普通にcxd5と取ってしまう手もあるようです。
13. Bb3 Bb7 14. Rd1


ここでRybkaのbookを外れますが、ロジカルな手に見えます。対局中はRc1もあるかな、と思っていましたが、そちらがbook moveでした。Rd1はd5で交換が生じた際にポーンではなくピースで取り返すことを望んだ手です。ポーンで取り返せばパスポーンにはなりますが、e4から黒のピースが一気にactiveになり、危険です。
ここで、かなり悩みましたが、ポーンは取り返せると読んで、ピースの展開を優先させました。
14. … cxd5 15. Bxd5 Bxd5 16. Rxd5 Nc6



17. Rxb5 Nd4!?
白が取ってくれれば、黒はe4のポーンを取り返せますが、じっとRb7とよけられると困ってしまうということに指す前に気付きましたが、他の候補手が思いつかず、指してしまいました。正着は17. … Reb8 18. Rxb8 Rxb8 19. b3 Nb4! でポーンを取り返せます。本譜では白が取ってくれて助かりましたが、コンピュータによればそれでも白がやや良いようです。
18. Nxd4? exd4 19. Kd2 Rxe4
ここでようやく白も展開を終えました。クイーンのいない地味な中盤ですが、黒はここから何とかチャンスを作ろうと奔走します。ただ、少し長くなってしまったので、続きは次回に回します。

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