EとAの夫婦喧嘩

さて、久々の自戦記はなんと夫婦対決です。

前回の投稿で書いたように、AのおかげでKIDを諦めたE。舞台は全日本、第一ラウンド。ここで負けるわけにはいかない。熱き戦いに刮目せよ!!

Azumi-Enju

Japan Chess Championship 2019 (1)

1. d4 d5 2. c4 e6 3. Nc3 Nf6 4. cxd5 exd5 5. Bg5 c6 6. e3 Be7 7. Qc2 Nbd7 8. Bd3 h6 9. Bh4 Nh5 10. Bxe7 Qxe7 11. O-O-O Nb6 12. Nge2 Bd7 13. Kb1 O-O-O 14. Nc1 Kb8 15. Nb3 Bc8

最近この変化で戦い続けている二人。白のNc5はあまり怖くなく、黒問題ないはずというのがプレパの結論でした。ちなみにこのあたりでドローオファーされたら受けようと思っていました(おい!)。

16. Nc5 g6

黒のプランはh5のナイトをg7経由でe6に持っていくこと。また、可能ならばBf5として白マスビショップの交換も考えていました。

 
17. N3a4

白が黒のクイーンサイド、黒が白のクイーンサイドを狙う戦いになるのは自明。ナイト交換を迫るこの手は黒のディフェンスの駒をひとつ消していますが、白の攻め駒を一つ減らしてしまっています。黒のキングを攻めきるには駒交換をし過ぎているというのが私の判断で、このあたりで既に黒が指しやすい気がします。

17… Nxa4 18. Qxa4 Ng7 19. Rc1 Ne6 20. Rhd1 Rhe8 21. Rc3 Nxc5 22. Rxc5 Qf6

もう一つマイナーピースを代えたところで黒が攻めに出ます。クイーン一つで相手のポーンを狙っているだけのシンプルな攻撃ですが、Bf5からのピース交換もみていて、意外に煩わしい。

 
 23. Qc2

Qxf2とBf5両方に対抗するにはこれしかありません。

 
23… Rd6

この手には2つの狙いがあります。一つはc6を守ること。白は もうひとつの狙いが見えていませんでした。

24. Rc1?

ここで白にミスが出ます。白としてはg3辺りを突いてポーンを守るか、a4、b4と攻め合いにいくかの選択でしょうが、Rc1ではぬるすぎです。Rd2と横からポーンを守れなくなったのも痛い。
24… Qh4 25. h3 Rf6

これで白のポーン落ちが確定します。白は黒キングを攻めにいくしかありません。

26. Qb3 Bd7!?

Qb3はこけおどしの手で、黒は26… Qxf2 27. Rf1 Qh4とポーンを取ることができます。

それは読んでいましたが、優勢を意識して慎重になります。c6を守ってキングをc7からキングサイドに逃がすのが読みだったのですが、、、 
27. Ba6 b6 28. a4 Qxf2 29. a5

このあたりまで読んでのBd7でした。予定ではe3のポーンを掠め取った後にキングをキングサイドに逃がすはずだったのですが、、、

30… Rxe3?

自然にみえるこの手が疑問手でした。正着は30… Qxe3でルークをぶつけられるのが気になりますが、31.R1c3 Qe1+ 32.Rc1 Re3! 33.Qa4 Qd2と白クイーンをbファイルから追い払えば問題ありません。

 
30. Qb4 Qf5+?

Kc7にRxd5があるため、このチェックを入れました。今日の俺は手が見えてる、どや顔で指した手でしたがまさかの連続疑問手でした。これで一気に白に評価が傾きます。ただし、「コンピュータの評価が」ですが。 

31. Ka1?

正着はKa2。これで本譜と同じ流れで白勝ちになります。いや、まぁ難しいですよね。あえて説明するならQxc1がチェックにならないということでしょうか。

31… Kc7 32. axb6+ axb6 33. Rb5! 

情けないことにRxd5だけみていて、こちらの可能性は全く見落としていました。黒はb6を守る自明な手段がありません。一瞬「敗北」の二文字が脳裏をかすめましたが、幸いなことに黒にはうまい反撃の手がありました。
 
33… Qf4!!

次にRa3+からのQxc1+を狙っています。Ka2であればQxc1がチェックにならないので1テンポ稼げるのがポイントなわけです。

34. Rc3?

これは簡単な黒勝ちです。単純にc1のルークを守る手ならばQd6としてa4-f8のダイアゴナルを塞ぎ、キングをd8, e7と逃がすのが私のプランでした。コンピュータはc5としてb6を守る手を推奨してくれます。いずれにしろ実はまだまだ難しい局面が続くはずでした。

34… Rxc3 35. Qxc3 Qf1+ 36. Ka2 Qc4+ 37. Qxc4 dxc4

クイーンを交換されて白は万事休すです。しかもビショップがトラップされそうです。

残りの手順はもうよいでしょう。

38. Re5 b5 39. Re7 Kd6 40. Re2 Be6 41. Ka3 Rf1 42. Kb4 Ra1 43. Bxb5 cxb5 44. Kxb5 Kd5 45. Rd2 Ra8 46. Kb4 Rb8+ 47. Ka4 Rb3 48. Rf2 Kxd4 49. Rf4+ Kc5 50. Rf2 Rb8 0-1

さて、いかがでしたでしょうか。

JCAの公式戦での敗戦。ウィーンでのピースダウンからのミラクルな逆転勝ちのFIDE公式戦。昨年の東北選手権での敗北。

今回、NCS公式戦での初対戦でようやく妻との対戦成績をタイに戻すことができました。と、書いていて気が付いてしまいましたが、「JCAの公式戦で妻に全敗」という不名誉な肩書きを既に覆すことができないわけです。「いや、FIDE公式戦全勝だから」と切り返すことにします。

毎回がちんこ勝負を繰り広げる我々夫婦、

夫婦だからドローにするんじゃないんですか?とよく聞かれるんですが、むしろ聞きたい。

<span class="fz-20px">E</span>
E

君は0.5 pt取るために結婚するんですか?

最後に夫婦仲がよいことを強調しつつ、久々の自戦記を終えたいと思います。

それでは。

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