Say goodbye to the KID

U.S. CHESS
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 チェスを始めて以来、ずっとKing’s Indian Defenceを指してきました。10年以上の時を共に過ごし、決して少なくない喜びを与えてくれたオープニングでした。しかし、昨年の東北選手権でAに敗れ、これでAに国内公式戦2連敗(両方ともKID)という屈辱を経て、この悪ガキにさよならをする時が来たのです。

 と、いうわけでブックレビューです。

タイトルの通り、1.d4に対してd5と受けるレパートリー本になります。1.d4 d5 2.c4 e6のQueen’s gambit declinedを基本とした黒番用のレパートリー本になります。本の構成は

1.Bg5 QGD

2.Bf4 QGD

3.Exchange QGD

4.QGD sideline

5.Catalan

6.d pawn(Londonなど)

7.Reti, English(d4突かない場合)

となっており、全体的にオーソドックスなラインが勧められていると思います(Bf4のみサイドラインかな)。各章の最初にイントロダクションがあり、その後にtheoryが紹介されています。イントロダクションの項はオープニングだけではなく、関連したポジショナルな話が記載されていることも多く、興味深いです。特に印象的だったのは、「もし失敗してバッドビショップのエンディングになってもこれは知識さえあればドローだから大丈夫だよ(意訳)」という記載があり、もし読者のみなさんがその知識が見当もつかない、ということであれば購入を検討してみてもいいかもしれません。

Quality Chess社の本ですし、決して初心者、初級者向けの本ではありません。ただ、同社のGrandmaster Repertoireシリーズに比べるとかなり取っつきやすいと思います。中級以上のトーナメントプレイヤーにおすすめです。

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