新シリーズを立ち上げようと思います。とりあえず、様々な序盤変化に対して簡単なコメントを付けるという趣旨です。impressionsなので間違っていても許してね、という意味合いも含んでいます。
1. d4 d5 2. c4 e6 3. Nc3 Nf6 4. cxd5 exd5 5. Bg5 c6 6. Qc2 Be7 7. e3 Nbd7 8. Bd3 O-O 9. Nge2 Re8 10. O-O Nf8 11. f3 
今回はQueen’s gambit declined のexchange variationでキングサイドのナイトをe2に展開する変化です。黒側の対処の仕方が通常のQGDと異なるため、対処法を知らないと黒がすぐ悪くなります。素人レベルでは大変便利な定跡であるため、Starting Out: 1 d4!
この変化のポイントは
1．f3によりNe4を防ぐため、通常のピース交換する黒の戦略を防ぐ（黒はスペースが狭いので通常駒交換は黒の不利を解消する方向に働きます）
2．これはexchange variation全般の特徴ですが、ポーンを交換することでc5やe5といった通常のQGDでよく見られるポーンブレイクを行いにくくなる。
3．白にはf3からe4とセンターポーンを突いていくというわかりやすいプランがある。
こう書いていくと白が良いことだらけのようですが、「通常」と書いたように、黒は通常とは異なる方法で駒交換やポーンブレイクを狙えば良いわけです。また、3のわかりやすいプランというのも、逆に言えば黒から見てもわかりやすいプランであり、このプランに対して対抗策を考えれば良いわけです。個人的な印象としては、この変化は厳密にはイコールですが、黒が間違えやすい要素を多く含んでいる。そのために、白にとって便利な定跡なわけです。
初回の今回はこんな感じです。
QGD exchange with Nge2 ーOpening impressionsー
Opening impressions
コメント
コメント失礼します。出来ればご教授のいただきたいのですが…自分はＱＧをメインで使用しているd4プレイヤーです。
ご紹介されている、Nge2のラインについて触れている本2つの内、白のレパートリーとして取り入れやすいのはどちらになるでしょうか？
マシューサドラーのQueen’s Gambit Declinedを購入してこのラインが無いことに気づいて参考になる本を探していました。
こんにちは。
大会中で返信が遅くなりすいませんでした。
Starting d4は名前の通り、初学者向けの内容で、１冊で初手d４の全ての変化を扱っており、広く浅いと言えるかもしれません。ただし、私は好著だと思います。気になるのは出版年の古さでしょうか。
Playing the Queen’s GambitはQuality Chessという近年定評のある出版社から出ている本で、いわゆる「ガチ勢」向けの本です。扱っている変化はd4 d5以降の全変化です。d4 Nf6に対してはPlaying 1.d4: The Indian Defencesというタイトルの本が出ています。また、改訂版も出ています。リンク先は旧版なので、リンク先の著者名のリンクから改訂版を探してみてください。
以上の情報で参考になりましたでしょうか。
他に疑問点があれば聞いてください。
ご返事いただきありがとうございます。
すみません、そもそも記事自体10年近く前の投稿だったのを後から気づきました・・・
トンチンカンなタイミングでメッセージを送っていたのにコメント返信をいただけて恐縮です。
教えていただいた内容で調べてみました。
Playing 1.d4: The Queen’s Gambit (Grandmaster Guide) どうもこちらがPlaying the Queen’s Gambitの改訂版のようでした。もちろん改訂版を購入してみたいと思ったのですが、お値段の関係で旧版もありかなと考えています。(新版 amazon¥77,930 楽天¥6,318 旧は¥3,640)
サドラーのQGD本はまだ勉強中で、購入はどうするかまだ決めていませんが、Nge2ラインの勉強だけならまずネット記事を探してみようかと思いました。
こちらの記事で知り、カスパロフの棋譜を見たりもして非常に興味があったもので色々探してみようと思います。
大会中お疲れの中、お答えいただきありがとうございました。