久々に自戦記です。
今回は自戒の念も込めて今年の百傑戦最終ラウンドの負け試合を載せようかと思います。
対戦相手の桑田君はいわゆる麻布黄金世代の一人で最近急激にレートを上げています。この対戦当時は2045でしたが、最新のレーティングリストでは2178(!)。2200台も目前です。
□Sakai, Enju(1985)
■Kuwata, Susumu (2045)
1. d4 d5 2. c4 c6
桑田君には過去何戦かしていて全敗です。過去の対戦ではスラブのAnti-Moscowでしたが、今回は僕の方から定跡を変えました。
3. Nf3 Nf6 4. e3 Bg4
この百傑戦、1RではBf5、3Rではe6、このラウンドはBg4です。それぞれ非常に勉強になりましたが、それ以上にslav defenseの盛んさに驚かされます。
5. Qb3 Qb6 6. Nc3 e6 7. Nh4
一見奇異な手ですが、h3、g4、Nxg6としてツービショップを得ることを意図しています。
7. … Bh5 8. h3 Nbd7 9. g4 Bg6 10. Nxg6 hxg6 11. g5
この変化ではthematicな手です。g5のポーンはやや弱いですが、ナイトを一時的に下がらせて展開を阻害します
11. … Ne4
Ng8を予想していましたが、黒は突っ込んできました。予定とは違いますが、黒もe4に弱いポーンが残ります。
12. Nxe4 dxe4 13. Qc2!? (Bg2 is natural) Be7 14. Rg1 Rh5 15. Qxe4 Bb4+!?
黒はg5を取ってきませんでした。これでは13手目のBe7が手損になります。この手を境に白が良くなった気がします。
16. Kd1 O-O-O 17. f4 c5 18. a3 Ba5 19. Ke2!?
黒のc5を見てキングを逃がす手は自然ですが、キングを逃がす方向を間違えます。正しくは19. Kc2!。次のQb3も防ぎ、黒からのカウンターチャンスをつぶします。Ke2は単純に心理的にクイーンから遠ざかった手ですね。
19. … Qb3
そして、この手で困ってしまいます。c4を守らなければなりませんが、Kf2にはQd1が嫌でした。実際にはQd1にはb4からBg2(b7のメイトとクイーンのダブルスレッド)で簡単な白勝ちでした。
20. Bg2 Qxc4+
これでポーンを取り替えされ、優劣不明の局面へと突入します。ここから白が勝勢を築き、そして最後に自滅するのですが、長くなったので次回にまわします。続きは13日に更新予定です。
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