Netflixで話題になったチェスドラマ”The Queen’s Gambit”の影響を受けて、女性向けのオンライン国際大会が開かれました。
大会概要
2021年6月の週末に、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、アメリカの4地区予選が行われ、それぞれの予選入賞者で決勝が行われました。
大会はブリッツ(3分+2秒/手)で、スイス式11試合です。
レーティングによって4つのセクションに分かれており、日本からはカテゴリーC(1500-1799)に3人、カテゴリーD(<1500)に4人参加しました。日本女子選手権の参加者が例年10名前後で、多い時も20人弱だったので、このコロナ禍で女性プレイヤーが活発に参加していて嬉しい限りです。
大会会場
大会はtornelo.comで行われました。
特徴としては、試合画面に”アービターを呼ぶボタン”があることです。
対面の試合でトラブルがあると、対局時計を止めてアービター（審判）を呼んで対応します。
torneloでは、アービターを呼ぶボタン＋チャット欄があり、トラブルがあった時に対応してもらうことが出来ます。私は使うことはありませんでしたが、安心感がすごい。
また、tornelo内でペアリングを確認できる、ペアリングが組まれるとアラートが出る、など、
今まで他のサイトでなかった機能が加わり、スムーズな大会運営でした。
（今までの大会はchess-resultsにペアリングが発表されており、運営がペアリングの入力をミスる？ことがありました）
あと、私は使わなかったのですが、Zoomで対戦相手のカメラをピン止めすることで、相手の顔を見ながら試合することも出来たようです。もともと、対面でも対戦相手の顔を覚えていないくらい見ないで試合してるので、私は非表示にしていました。
結果と自戦記
私はカテゴリーCに参加し、8位という結果でした。
一試合だけ印象に残った試合を紹介しておきます。
[Event “Queen’s Chess Festival – Asia – Category C”]
[Date “2021.06.13”]
[Round “10.3”]
[White “Azumi, Sakai”]
[Black “M, F M”]
- d4 Nf6
- c4 e5
- dxe5 Ng4
- Bf4 Nc6
- Nf3 Bb4+
- Nbd2 Qe7
- e3 Ncxe5
- Nxe5 Nxe5
- Be2 d6
- 0-0 0-0!?
ここで、キャスリングはとても自然に見えますが、10…Bxd2も良く指されている手です。なんでわざわざBでNを取るんだろうと思って調べたことがあります。その時、本譜のような狙いがあるからだと結論付けました。
11. Nb3! Be6?
12. a3!
b4のBはNb3とa3により白のNと交換されてしまいます。10…Bxd2はポーン形を崩さずに交換出来るということだったんですね。（私の個人的解釈）
本譜では、e6のBがQの効きを遮っているので、さらに大惨事です。
12…Bc5
13. Nxc5 dxc5
14. Bxe5 以下、略
ピースアップで優位に進めることができ、勝つことができました。相手は今大会で入賞した強いプレイヤーです。
日本でも、全く同じように駒得をしたことがあります。
自身の使うオープニングで疑問に思った手は良く調べると、実戦でも役に立ちますよ。
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