典型的なチェックメイトの形で分類されたミニチュア集

今回初めてチェストランス出版の「書評」をします。「定跡が秘めた狙い」を紹介したことがありましたが、あれは原著は持っていましたが、翻訳書は持っていない状態で紹介しました。今回、書籍を手に入れて読んだ上ですので、間違いなく書評です。

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今回紹介する本:チェックメイトの技法

著:ジョルジュ・ルノー, 著:ヴィクトル・カーン, 翻訳:水野 優
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初書評は「チェックメイトの技法」です。特に意識していませんでしたが、Chess Classicsシリーズの1番目だったんですね。原著のタイトルは”the art of checkmate”ですので、ほぼ直訳のタイトルです。チェストランス出版の本全体に当てはまることですが、時代的に古い本が多いことは最初に断っておきます。

本の内容

タイトルを見るとチェックメイトの形を網羅している本か、網羅している問題集が連想されますが、実際の内容は少し趣が違います。

全25章で構成され、各章ごとに典型的なメイトで分類されていますが、内容として典型的なメイトが決まったゲーム集になります。当然短手数で終わったゲームが多く、ミニチュア集といってもいいでしょう(局面途中からゲームもあります)。もっとも25章のうち5章は復習問題の章なので問題集の部分もあります。

私は、チェックメイトに関してこの本のように初手から終局まで載せている本は初めて見た気がします。通常はメイトが決まる直前のポジションからの手順を示す場合が多いと思います。

チェックメイトの名前

各章立てはチェックメイトの名前が冠してあります。特定の名前が付いてなかったメイトに関しては、代表的なゲームを指した有名なプレイヤーの名前を付けていると著者が述べています(モーフィーとか)。実は、この名前英語のWikipediaのページに載っている名前と同じなんですよね。この本が元になっているのかもしれません。

私は良く知らなかったんですが、この本の原著って有名なんですね。

(現代では)無名の棋士の紹介

読んでいて面白いと思ったのは棋士の紹介です。本の中で紹介されているゲームの対局者を紹介している部分があるのですが、現代では全く無名の棋士について紹介している場合があります。これは古い本の醍醐味(?)かなと思いました。

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どんなレベルの、どんな人におすすめか

本のレベルとしてはそれほど難しいというわけではありませんが、露骨に初心者向けなほど簡単ではありません。初級者から中級者向け(レート1200-1500ぐらい?)で、初心者でも読み進めることは可能だろう、というレベルです。

私自身、メイトに関する本というのは問題集しか読んだことがありません。それでもこの本に書いてあるメイトの形はほぼ把握しているので、問題集だけ読んでも十分かもしれません。ただし、対局をしていてメイトの形を見逃すことが多いという中上級者の方は、一度こういった本で確認しておくといい気がします。

一方で、初心者・初級者の方がこの本を通しで読むのは少し時間が掛かってしまい、メイト以外の分野の勉強が遅れてしまう気がします。そこで、まずメイトの形を全種類確認して、その中で難しい、よく分からないという形のところを読む、という読み方がいいのではないかと思います。

まとめ

今回初めてチェストランス出版の本を紹介しました。

チェックメイトに関する本で、試合の最初からメイトになる最後までを載せている少し珍しい本です。チェックメイトだけを扱っていることを考えると、少しボリュームが多いかなというのが感想です。ぱっとその章で扱われているメイトの形を確認し、簡単だと思えば飛ばしてしまうという読み方も有効ではないかと私は思います。途中で問題集の章があるので、そこで問題を解いて分かっていないと思えば、読み直せばいいでしょう。

いずれにしろ、チェックメイトの問題集ではなく、チェックメイトの形で分類して解説している本は洋書としても珍しいですので、学習ニーズとマッチすれば手に取るべき本だと思います。

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