The Sharpest Sicilian

著:Georgiev, Kiril, 著:Kolev, Atanas
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理想的な形式のレパートリー本


 思うに、僕ら素人が本の良し悪しを語る場合、評価はその本の形式で決まっているのではないだろうか。特に定跡書の場合にはその傾向が強い。載っている変化の正しさなんて分かりゃしないし、言葉の説明に限界がある定跡も多い。


序盤本の形式としては


①初めてその定跡を指す人用の説明重視型

例としては
Starting outシリーズexplainedシリーズrevealedシリーズ等が挙げられる


②近年廃れ気味のヴァリエーションだけが書いてある本


僕もあまり持っていないので例を挙げづらいのですが古いeasy guideシリーズなんかはこの形式ですね。


③近年流行の形式として基本的にその定跡のゲームが数十載せてあってゲームの途中の変化として②形式に載っているような細かな変化が載っている形式


Plays theシリーズはこの形式。
と、だいたい3種類に分けられるのではないかと思います。人それぞれ好みがあると思うのですが僕個人としてはどの形式も一長一短があると思っていました。①の形式は読んでいてそのうち物足りなくなるし基本的にレパートリー本ではないので実用性が低いことが挙げられます。②、③の形式ですといきなり読む気がなくなる気がします。


 僕としては①の形式の本でその定跡の感覚をつかみ、ブリッツを指しながら分からなくなったら②、③の本で調べ直しながら学んでいくのが理想です。また、③の形式で1ゲーム通して並べることで中盤以降の戦い方を学びたい人もいると思います。いずれにしろ1冊の本でまかなえないことが悩みです。


 長くなりましたが、以上のような意味でこのThe Sharpest Sicilianは理想的な形式のレパートリー本であると思います。この本はそれぞれの章が3つのセクションに分かれています。まず”quick repertoire”でメインのラインとおおよそのその変化の指し方(言葉での説明)が提示されます。これは①の形式にあたると思います。次に”step by step”セクションでは白の手に対する応手が網羅されています。これは②の形式ですね。最後に”complete games”で実践例を挙げてくれます。これは③の形式から②の形式と重複する細かな変化の記述をのぞいた物になります。


 この本の使い方とすると”quick repertoire”と”complete games”を読み、だいたい理解をした後に実戦経験を積み応手に困ったことがあれば”step by step”をreferenceとして使えばよいでしょう。
同様の形式(のはず)本としては
The Safest SicilianとEasiest Sicilianが挙げられます。


 あ、いい忘れていましたがSharpest Sicilianはナイドルフを、Safest Sicilianはタイマノフを、Easiest Sicilianはシュベシニコフを基本としたレパートリー本で1 e4 c5 2 Nf3以降の全ての変化について説明しています。(つまりアラピンはないがモスクワは載っている)

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