Japan League 6R その3

さて、白黒双方にミスが出て結局unclearな 局面になったところまでが前回でした。


上の局面Bxh3とは出来ないのは前回述べたとおりです。
32. Nc6
これでQxd5のスレットがなくなります。
32. … Bxg2+
33. Kxg2 Bf6
34. Bg5

Rybkaによればこの手が良くなく一気に流れが黒に傾きます。
ただ、どうあれ白の方が指しづらい。
情けないことにゲーム中にはそんな風には考えることが出来ませんでした。単純にピースダウンだから危ない、ぐらいにしか思えませんでした。そんな心理がこのゲームの悲しい結末を生んだわけです。
34. … Qb3


白のピースは調和が取れていません。特にルークがつながっていないことが白のポジションを苦しくしています。
35. Ra5
この位置もかなり不安定です。d5のポーンとナイト、ルークが互いに守りあっていますが、言い換えれば身動きが取れないということです。
35. … Kg7
しかし、この手でまた局面が怪しくなります。Bxg5 hxg5の形がバックランクメイトを連想するため、指さなかったのですが、35. … Bxg5 36. hxg5 Qb2で単純に白は対処に困ります。
36. Bxf6 exf6
37. Kf2?


しかし、ここでKf3が必須と言うのだから白難しい。一見c2+をくらって白悪そうですが、
37. Kf3 c2+
38. e3 Qd3
39. Nd3


これでQe1+にはNe2と受けられますし、次にRaa1とルークが戻れば黒の攻め手がなくなりそうです。黒にはクイーンしか残って居ないので、浮いている駒以外は取れないのです。h4のポーンぐらいは取れそうですが、勝ちにいってキングサイドのポーンを進めれば逆にリスクもありそうです。
では、本譜のKf3でも同じような変化を指せばよいのではないか、と思うところですが、どうでしょう。
以下は本譜とは違いますが、見てみましょう。
37. Kf2? c2
38. e3 Qd3
39. Nd4

これで受かっているはずでしたが、、、
39. … Qd2+!


このフォークでa5のルークが落ちます。キングがf3にいればこの手はないわけで、これがKf3が絶対手である理由です。いやあ、チェスって難しいですね。
本譜に戻りましょう。
37. …Qc4?
ここはc2以下簡単に勝てます。
ここでは白は38. e3でd4のナイトのポストを確保すれば、まだunclearな局面
38. Ke3?
キングが上がってきたのには驚きました。
黒のキングサイドのポーンが効いてくるのでリスキーに思えます。
38. … f5
これでパーペチュアルは止まらないというのが自分の読みでした。
39. Rca1
Nd4とチェックを避けても39. … f4+ 40. Ke4 f5+でナイトが落ちるので無理、と考えていました。問題なのはこの局面を黒がドローを目指すポジションととらえていることです。
39. … Qe4+ draw offer??
40. Kf2?

白は当然ドローオファーを受けるべきです。
40. … Qf4+
41. Kg2 Qg4+
42. Kf2 Qf4+
43. Kg2 Qg4+
44. Kf2 Qf4+
45. Kg2

1/2-1/2


当然ながら局後すぐに勝ち筋をギャラリーから指摘されました。41. … c2でパスポーンが止まりません。黒楽勝です。冷静になればこの手が見えないはずはないですから、精神的な弱さに起因するとしか言えません。これも今後の課題だと思います。
なにはともあれ、格上相手のドローで最終ラウンドに入賞の可能性を残しました。
次はその最終ラウンドを解説しようかと思います。

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