Japan League 6R

 さて、5Rで上位を破り、気分良く望んだ6R。オーストラリアでFIDEを取っており、FMのタイトルを持っている中内仁君、正直当たりたくない相手でした。強い子供には当たりたくない、というのがアラサー男の本音です。


Nakauchi, Gene (JCA UR FIDE 2102)
Sakai, Enju (JCA 1975 FIDE 1936)

Japan League 2009 (6)


1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. Nc3 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d6
6. Nf3 Nc6



King’s Indian, Fianchetto, Panno Variation です。穏やかな見た目とは対照的にトリッキーな変化になります。


7. O-O a6 8. d5 Na5


違和感をもたれる方もいるかもしれませんが、これがメインラインです。
白がフィアンケットを組む形ではc4の地点が弱くなりますから、ここを狙うことは
非常にロジカルです。
9. Nd2 c5
ナイトのポストを維持するための典型的なポーン突きです。
10. a3!?
b4としてナイトを追い払うための準備として自然な手に見えますが、ここではおかしい。後の手順を見れば分かるようにb4は突けません。
10. … Nd7!
まず、ビショップの道を開くことでc3のナイトに当て、b4を防ぎます。
11. Qc2 Ne5
次にc4のポーンに当てて、b3を強制します。
12. b3
白には他に良い防御手段がありません。
こうなってみると、白の10 a3が意味をなさず、むしろ弱点を作っている感じです。
ここまでは黒が非常にいいペースで来ています。   
12. … Rb8!?
しかし、ここで黒も間違えます。狙いはb5ですが、既に突ける。
12. … b5 13. axb5 axb5 14. Nxb5には
14. … Nf3+からa1のルークが落ちる。
13. Ra2 b5 14. cxb5 axb5 15. b4



ノータイムでb4と突いてきて少し驚かされました。
しかし、15. … cxb4 16. axb4 Nac4 17. Nxc4 Nxc4にはNxb5でポーンが落ちるので
ポーンで取り返すしかない。黒としては少し嫌な気分です。
15. … cxb4 16. axb4 Nac4 17. Nxc4 bxc4
 


しかし、こうなってみるとそれほど悪い気がしない。bとcのポーンは白黒お互い様という感じです。
ひとまず、この場面ではb4のポーンが当たっていますが、あまり良い守り方がない。白のピースの配置が良くないように見える。
18. b5 Bf5
小気味の良い手。e4とするとナイトにd3のマスを与えてしまうので避ける他ないが、うまい場所がない。
19. Qb2
気分の悪い位置取りだが、c3のナイトの守りを外さないようにするにはここしかない。
また、ここまで黒が一方的に良いようだが、f5とe5に並んだビショップとナイトは不安定であり、油断するとピースが落ちかねない。
19. … Qc7 20. Bd2 Rb7
21. h3

これでNg4 が出来なくなり、ピースが危ない。
21. … Rfb8


 この手を指した瞬間この手はブランダーだと気づいた、と思った。
22. f4 Nd7 23. g4でピースが落ちると気づいたのだ。
しかし、実は
23. … Rxb5!
この手がある。ナイトがピンなので取れない。
24. Qc1 Bxc3 25 Qxc3 Bb1(下図)



となりビショップは落ちない。
しかし、もっとおもしろい変化は22. f4に対してNd7とは引かずに
22. … Qc5+ 23. Kh1 Nd3!



Nf2などのスレットがあるのでこのナイトは取るしかなく、
24. exd3 Bxd3
で次にルークがどこに避けてもRxb5が入り、ピースの代わりに2ポーンを取って
黒にはattacking chance が残る。
この二つの変化はどちらも形勢不明です
これを知ってか知らずか白はf4を突いてきませんでした。
さて、皆さん、疲れていませんか?僕は疲れました。このゲームはまだまだ先が長いのです。とりあえず、このあたりでいったん休憩を入れることにしましょう。
では

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