enju – P, M チーム選手権より その2

P,M氏との対戦自戦記の続きです。


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さて、この場面で白番。何を考えればよいでしょうか。自分が考えていたのは黒には次にNe5があること。f3のビショップc4のポーンを同時に守らなければならない。単純に守ることを考えればBe2かb3。Be2はいかにもパッシブだし、b3では結局f3のビショップにあたる。そこで自分が考えたのは、、、
19. Bxc6
強力なツービショップを捨てる上、ドローになりやすい異色ビショップになる。自分が優勢だという思いのあるこの場面では指しにくい手だ。最善手かどうかはソフトウェアで解析しても分からない。面白いのはRybkaでは1番か2番の評価であるにもかかわらず、fritzでは3番以内にも入らない。ソフトウェアの特性の違いか。もっとも、fritzでもBxc6以降の評価は悪くない。
19 … bxc6 20.Rd6

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ここで、黒がc6のポーンを守る必要がないことに気がついて愕然とする。Rxc6にはBb7からBxg2がある。幸いなことに致命的なミスではなかった。ここで1手稼いだ形だが黒にも良い手がない。
20. … a5 21. Rhd1
この手でc6が取れるBxg2にはRdd7からRxg7を狙える
Ra6 22. Kc2 e5 23. a3?

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白の自分のプランはクイーンサイドのポーンを突き上げパスポーンを作ること。しかし驚くべきことにこの手が致命的なミス(らしい)。bファイルを黒に渡してしまうこと、c4のポーンの弱さが後々効いてくる。
23. … Be6 24. Kc3 a4 25. Rd8

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すぐにb4としてしまうとaxb3 Kxb3の後、Rb8+からRa4とc4のポーンを狙われ攻守逆転になる。
25. … Kf7 26. b4 axb3
27. Kxb3 Ra8 28. Rxa8 Rxa8 29. Rd6

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さて、ここが勝負の分かれ目だった。黒の次の手はRa6。しかし、これが致命的な間違いになる。正着はRb8+。白キングはaポーンを守らなければならないがbファイルにいるとRb8のチェックをくらい、aファイルにいるとc4のポーンが落ちるのでRa8とRb8+の繰り返しになる。手を進めるにはaポーンを捨てるしかないが、aポーンとcポーンを交換してしまっては異色ビショップな分ドローになるだろう。ルークのactivityの重要性を再認識させられる。
29. … Ra6?
Rb6+が出来ないのが致命的である。後はルーチンワークだ。ポーンをa5まで進め、Bb6、Kc5としてc6のポーンを取って勝ちだ。
30. a4 Bf5 31. Kb4 Be6 32. a5

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ここで勝負あり。黒は次の手でビショップを捨ててきた。もうここまででよいでしょう。
32. … Bxc4 33.Kxc4 Rxa5 34. Rxc6 Ra1 35. Kd5 Rd1+ 36. Ke4 Re1+ 37. Kf3 f5 38. h4 h6 39. Rc7+ Kf6 40. h5 Rh1 41. Bf8 e4+ 42. Ke2 Rxh5 43. Bxg7+ Kg6 44. Ke3 Rh1 45. Be5 Kg5 46. Rg7+ Kh5 47. Kf4 Re1 48. Bd4 Rd1 49. Ke5 Rd3 50. Be3 1-0

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