ジャパンリーグ 2005 最終日

7R VSチャンプ 黒番 ナイドルフ Be3
 さて、ずいぶん間が空いてしまいましたが別にチャンプ相手の大金星の試合だから気合を入れたわけではありませんので悪しからず。単純に研究室も夏休み気分じゃなくなってきて少々忙しいのです。

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 白はg4よりも0-0-0を先にする変化を選んできた。Easy Guide to the Najdorfの中ではサブラインとしてしか扱われていない。早々にbファイルが開くので黒としては悪い気がしないラインだ。ただ、確かChess Chroniconの戎棋夷説でも書かれていた記憶があるが、このラインが最近流行りになっているらしく、序盤研究で有名なチャンプなのでそのへんを研究した上での選択だろうとゲーム中にも警戒していた。

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 必然的な駒交換の後、白のナイトがポーンとc5に飛び込んできた。この時点では気付いていなかったがこのナイトはd5の地点を狙っている。Easy Guide to the Najdorfのサブラインでもこの手順は載っているがd5にはいるというアイデアではなかった。チャンプはアナンドのゲームを研究したとのことだったのでおそらViswanathan Anand vs Peter Svidlerのことだろう。

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 ここまでくるとさすがに狙いが分かる。この時点で考えていたのはd5の争いでは既に負けているのでそこはブレイクされない限りは放置して黒マスビショップをe7、d8、a5として活性化すること。Bd8がb6のナイトに当たるのでテンポもとれる。たとえ、d5を支配されてもマイナーピースで支配されているうちは大丈夫だと踏んでいた。実際d5を支配してキングサイドから攻めるというのが白のプランだった。

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 そして、Ba5とした場面。この手が問題だった。白にh6とされれば黒は瓦解していた。チャンプが警戒していたのはRxb2。その後メイトがあると思っていたらしいが実際にはメイトにはならない。ここでは黒はQa4を先にするのが正解だろう。ビショップはとりあえずf6のナイトを守らなくてはならない。何はともあれ白はh6!ではなく、c3?を指してきた。Rxb2を防いだ手だがQa4!でa2のポーンが落ちる。

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 前の図以降、黒にも緩手があったものの白からもそれを咎めることが出来ず、上図の必勝形に。上図は白h6まで。一瞬黒ツールークと白クイーン+ビショップ交換の後にパペが入る?と思ったものの、単純にQxd1が間に入るので駄目。実際にそうなり白リザイン。
 と、言う訳でジャパンリーグでは3位に入ることが出来ました。正直なところ白番での対策やエンドゲームなど、課題はまだまだ山積みですが運も味方につけて結果が出たことは素直に嬉しいです。次の目標はジャパンオープンです。日本選手権の代表権奪取を最低目標にがんばりたいと思います。

コメント

  1. kathmanz より:

    >「運も味方に」
    もちろん実力がともなってこそですよね。
    当方「How to reassess your chess」が一段落して今「Amateur’s mind」にとりかかってます。充電はいいのだが、当方の一番の課題は実戦不足です。うーん、、、

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