ポジショナルプレイ ―チェスはなぜPositionalなのか?―

今回はチェス上達のためのマインドセットとして、ポジショナルプレイを扱おうと思います。私はチェスにおいてポジショナルプレイが重要になるのは必然だと思っています。本記事ではその理由を簡単に解説した上で、チェス上達のために持つべき意識についてまとめています。

スポンサーリンク

ポジショナルプレイ
Positional Play

チェスを勉強始めた人であれば、ポジショナルプレイという言葉を聞いたことがあるでしょう。意味としてはほぼ中盤と同義に使うなど人によって使い方は様々ですが、文字通りに取れば「駒の配置」に基づいてチェスを指すことを意味します。

なぜポジショナルか?

では、なぜ駒の配置がチェスにおいて重要かということを考えた場合、私は昔大学の同級生(チェスはしないが、将棋が趣味だったようだ)の語った言葉が端的に理由を表しているように思います。

チェスは将棋よりもはるかに可動範囲が広い駒を将棋よりも狭い場所に押し込んでいる

要するにチェスの盤面というのは駒の性能に比べて狭すぎるのです。

何が重要になるか?

チェスの盤面が狭すぎるために、以下の二つの考え方が、(駒の可動範囲が狭い)将棋に比べて遥かに重要になります。

  • より効果的な位置(例えばセンター付近)に駒を配置する。
  • 「適切な」駒交換で自分の駒の相対的な価値を高める

 前者を実現するために、ナイトやビショップ、ルークなどの駒の特性を勉強し、効果的な配置を学ぶことが必要になります(多くの中盤の本がこの内容を扱っています)。

 一方で、後者については少し難しいですが、序盤においてはスペースが狭い局面で駒交換を行ったり、中盤では相手の強い駒を交換するようなアイデアがこの考え方に基づいています。

スポンサーリンク

身につけるべきマインドセット

以上の話から学んでいただきたいことは二つです。

一つは、「チェスにおいては駒の配置がすごく重要」ということを意識することが、大切であるということです。チェスの中盤を勉強する際にこの意識がないとなかなか身につかない気がします。

 二つ目が、駒交換にネガティブな感情ばかりを持たないで欲しいということです。とかく、チェスは持ち駒が使えないことが(将棋の国である日本では特に)、ネガティブな印象をもって語られがちです。駒交換=攻めのチャンスが減る、とは必ずしも限りません。相手の最も強力な駒を交換するという考え方は、チェスの最も基本的な戦略の一つです。

まとめ

ポジショナルプレイという言葉をよく知っていると思います。しかし、私の考えでは、なぜポジショナルな要素が重要であるかを理解し、そしてそのことを意識して勉強をしている人は意外と少ないのではないかと思います。本記事を通じて、自分の中で意識付けをしてみてください。

Chess Strategy for Club Players

Mastering Positional Chess

著:アーヴィング・チェルネフ, 翻訳:水野 優
¥1,540 (2024/03/26 22:08時点 | Amazon調べ)

コメント

タイトルとURLをコピーしました