Brugse Meesters チェス夫婦の夏休み2025 その1

さて、今回は私たちの海外遠征の様子を何回かに分けて記事にしたいと思っています。いつもの大会参加記事とは異なり、現地の様子についてもレポートします。

Brugse Meesters

今回参加した大会はベルギーのブルージュで行われたBruge Meestersです。Meestersとは英語でMastersの意味なのでBruge Mastersという意味合いの大会名になります。まぁ、割と普通の名前ですね。

大会の形式は90分+1手30秒加算で9R。基本は1日1Rですが、2Rの日が二日あります。そのためちょうど1週間で9Rをこなすことができ、割と海外トーナメントではよくある形式ではないかと思います。間にシティツアーとブリッツトーナメントもありました。

なぜこの大会にしたのか?

今年の全日本期間中に、「ちょうどお盆期間中にベルギーで大会があるよ」という情報を得ました。その時は見送る予定だったのですが、ジャパンオープンで2000以上と当たることができないことが分かり、急遽参加を決めました。大会期間は8/9-15ということで、まさにお盆期間。8/8に有休を取れば問題なく参加できるので、特に仕事のことも気にしなくて済みました。強行軍なら8/8の夜に日本を出発しても間に合うと思います。

また、ベルギーの天気を調べたところ、この時期でも30℃未満の過ごしやすい日が多く、酷暑の日本を逃げることができるというのも、この大会に決めた理由の一つです。実際、柔らかな日差しの素晴らしい気候で、町中に点在するカフェやレストランで誰もがテラス席での食事を楽しんでいました。

どや顔でブルージュのカフェを楽しむAzumiさん

会場にたどり着くまで

航空券

海外大会参加を決めるとまずは航空券をどうするか考えなければなりません。なにせ私が現在住んでいる長崎から大会開催地のBrugseまで9000 km以上あります。またBrugse近郊に空港があるわけではないため、空港からの移動も必要になります。

日本からベルギー自体に行くよりも周辺国の方が航空券も安いため、フランスやオランダ、イギリス経由で行くことになるかと思います。国をまたぐとはいえ、それらの国々の空港からのアクセスも3時間程度、それほど大変というわけでもありません。

我々は中国東方航空を利用して、上海経由でアムステルダムのスキポール空港への航空券を取りました。昨年も同じ経由でハンガリーに行きましたが、決め手は単純に価格。他の航空会社と一線を画す値段設定だと思いました。

アムステルダムまで

8月7日の夜に、まずは福岡に向かいました。長崎からも上海経由でヨーロッパに行けるのですが、毎日就航ではありません。日程によっては不可なので、最初から福岡空港経由での飛行機を考えました。8月7日は福岡のホテルで1泊し、8月8日朝の便で上海の浦東空港へと向かいます。

福岡までの電車の中で既にAzumiさんがはしゃいでいました。「いや、あなた結構海外大会出てるでしょ?私10年ぶりだよ?」と思いつつ、楽しい夏休みになることを祈ります。

我々が取った飛行機は下図のような感じです。朝一の飛行機に乗ることで、大会の前日の、しかもあまり遅くない現地時間で到着できます。

空港構内、鉄のポールがかっこいい。

アムステルダムで1泊

オランダに着き、そのまま会場に向かうことができる時間でもありましたが、我々は空港近くのホテルに1泊し、次の日に会場に向かう計画です。

いよいよ会場に向かいます

8月9日、朝から会場であるブルージュへと移動します。有名なユーロスターではなく、ICという都市間特急(Inter Cityの略らしい)で向かいます。所要時間にもそんなに差はなかったと思います。

ブルージュへと向かった経路
美しいアントワープ駅

早速の1R VS 2200台の少年

ブルージュの駅についてしまえば、会場までは徒歩圏です。10年前に参加したオーストリアのGraz Openでは、駅からバスに乗り、バス停から雪が舞う中会場のホテルに向かいました。それと比べれば天国のようなもの。というか、すでに気候が天国でした。何、この過ごしやすい気候!!

会場に着くと某A氏と合流。まだチェックインできなかった為、1Rの間は荷物を彼の部屋に置かせてもらいました。

ここまでまだ12時ぐらい。1R開始は15時のため、まだまだ余裕を持って臨めます。やはり1日1Rの大会は優雅でよい。1Rはレート2200台の少年に白番でヒットしました。1Rはアップセットが起きやすいラウンドですし、ポイントを取りたいと思って臨んだのですが、、、

オープニングはスコッチの4… Nf6です。正直、この変化白良くなります?と思いながら指しているので、上相手に勝つイメージがありません。それでも、途中でドロー狙いに切り替え、1ポーンダウンの異色ビショップでこれドローでしょって思っていたのが下図の局面。

f6のビショップが強く、a1を抑えているので守りにも効いていますし、黒は常にバックランクを気にしなければなりません。とても自然なRhe1で白ドロー模様なんですが、私は少し凝ったRh4としましたが、これが悪かった。この後の展開を見るとその具体的な理由がわかります。

上図は何手か進んだ局面ですが、黒としてはf6のビショップをなんとかしたいわけですから、図のようにRe8からRe6とビショップを攻撃する手が自然です。この手を予期していれば、当然Rhe1が指せたでしょう。そして、バックランクの問題を解消できなければ黒が勝つのは相当に難しいはずです。

この後の展開もドロー模様ではあったのですが、難しい反撃の手が見えず、負け。

やっぱり上にはポイント取れない冴えない大会になるのかと思いながら初日を終えたのでした、、、

続く

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