プランの作り方 ーChessMoodの流儀3ー

ChessMoodというオンラインチェスサイトのコンテンツのダイジェスト記事になります。今回はチェスにおけるプランの立て方について、7つの問いかけに基づいて解説している”7Q Method – How to Find a Plan in Any Position“というコースについて解説します。

この記事を読んで興味を持った方はぜひ、ChessMoodに登録してみてください。

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プランとは何か

チェスにおいては、まずこのあとどのような狙いをもって指すのかという方針(プラン)を立て、その方針に基づいて具体的に手を考えるべきであると考えられています。この方針のことをプランと呼んでいます。

狙いをもって指すことなど当たり前のようですが、意外と何も考えずに手を読み始めてしまうものですよね。プランを考えるというのは、初代世界チャンピオンであるシュタイニッツによって提唱された概念であると言われており、近代チェスはここから始まったと言っても過言ではありません。

それはともかく、本記事ではChessMoodのコースを参考に、プランの見つけ方について解説します。

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プランを作る7つの問いかけ

7Q Method – How to Find a Plan in Any Position“では何を指せばいいのか分からなくなった時、つまりプランが分からなくなった場合には7つの問いかけを自分自身にしてみて、その答えを元にプランを考えればよいと言っています。その7つの問いかけについて1つずつ見ていきます。

1. 相手の抱えている問題は何か?

まずは相手が抱えている問題を考えます。その問題が分かれば自然と自分のプランが決まっていきます。つまり、

キング周りが弱い → キングを攻めることを考える

c5のポーンが弱い → どうやったらそのポーンが取れるか

という感じです。どうでしょうか?当たり前のことですが、納得しますよね?ここで重要なのは「キング周りが弱い」、「c5のポーンが弱い」ことが分かればプラン自体はごく自然に思いつく内容であるということです。最初の問いかけが重要なわけです。相手の抱えている問題点を突くことがプランになります。

2. 自分の問題点は何か?

自分のポジションに問題がないか考えます。問題が明らかになればその対処法も思い浮かぶでしょう。

弱いポーンがある → そのポーンを交換する方法はあるか?

キング周りが弱い → キング周りに味方の駒を移動させる

自分が抱えている問題を解決することがプランになります。

3. 自局面の強みはどこか?

味方がキングサイド、センター、クイーンサイドのどこで強いのかを考えます。基本的にはピースの数か、ポーンマジョリティ(どちらのサイドで味方のポーンが多いか)がどちらの側かで考えます。

相手に比べてピースがたくさん配置されている場所はどこか?

味方のポーンが敵ポーンよりも多いのはクイーンサイドか、キングサイドか?

いったん、自局面の強い場所が分かれば、その周辺で手を作っていくことがよいプランになることが分かるでしょう。

4. どの駒が改善可能か?

自分のピース(ポーン以外)のうちどのピースが改善できるかを考えます。明らかに働きが悪いピースがいくつかあるものです。

最も強力な駒であるクイーンが活躍できない場所にいる

このナイトだけ戦場から遠い

このルークだけずっとa8にいるけど?

などは典型的なパターンです。

その駒を効果的に動かすことが「プラン」になります。

5. どの駒を交換したいか?

この問いかけは4と被るところがあるようにも思います。自分がバッドビショップを持って入ればそのピースを交換したいですし、使えていないピースを交換することも駒の改善につながるでしょう。

一方で、相手の強いピースをどうにかしたい場合にも駒交換は有効です。

さらに重要なことは、どの駒を交換したいかが決まれば、どのようにその駒を交換するか具体的なプランを考えることにつながります。

6. 相手の次の狙いは何か?

チェスにおいて相手の狙いに気を付けることは大事です。自分のことばかり考えているととんでもないブランダーを指してしまいます。そして、その相手の狙いが危険であれば、それを防ぐこともよいプランになります。

7. どう進める?

GM Avetikによれば、1−6の問いかけによって、大概の場合プランを思い付くはずと言っています。1−6の問いかけを行なってもプランが全く思いつかない場合にはどうすれば局面を進めることができるかを考えるということです。

そんなこと言われてもどうすればいいか分からんよ、というのが正直なところだと思いますが、大概の場合それはポーンを進めることになると言っています。

1-6の問いかけを終えているということは、ピースの配置も問題ないですし、交換したい駒もないはずです。ということは、実はあとはポーンを動かすぐらいしかやることがなかったりするんですよね。

これは私も実戦で経験があります。相手を攻めているけれども決め手にかける、どうしよう。ああ、h4突いて相手のキング形を崩せばいいかも、という感じです。

実際にどう考えるか

ここまで、プランを考えるための7つの問いかけについて説明してきました。しかし、この7つの問いかけに対して、答えが複数ある場合が当然あるでしょう。自分にも相手にも弱点がある場合も有るでしょうし、それに加えて、全然働いていない駒がある場合もあるでしょう。

そういった際には、複数を組み合わせることもありますし、問いかけに対する答えが最も明確で強いものを基にプランを組み立てます。やや感覚的になってしまいますが、このあたりは経験で補われるべき問題でしょうか。

まとめ

今回はオンラインサイトChessMoodの”7Q Method – How to Find a Plan in Any Position“というコースを基にチェスにおけるプランの立て方について解説しました。

ChessMoodのサイトでは多くの実例を交えながら解説していますし、練習問題などもあり、より理解しやすいようになっているはずです。興味を覚えた人は入会してみてください。

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