攻めに関する古典

チェスにおける攻撃というとタクティクスを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、タクティクスを成立させる前準備というものもありますし、そもそも攻めの組み立るフェーズではタクティクスは必要ありません。

本記事では相手のキングを攻める、という意味でのチェスのアタックについて書かれた元祖ともいうべき古典をご紹介します。

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今回紹介する本:Art of Attack in Chess

著:Vuković, Vladimir
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VukovicによるArt of attack in chessはチェスにおけるアタックを扱った元祖ともいうべき、とても有名な本です。

キャスリングする前のキングに対する攻撃、キャスリング後のキングに対する攻撃、ピースアタック、ポーンも活用した攻めなど、現代のアタック本にも通じる内容になっています。目立つ赤色の本なので、「あの赤いやつ」みたいな言われ方も多い気がします。

アタックとタクティクスは違う

たまに勘違いをしている人もいるので、念のため確認しておくと、アタックとタクティクスは似て非なる概念です。タクティクスは強制手順でメイトにしたり、駒得をすることで、タクティクスの本に出てくる局面は既にタクティクスが成立するような局面になっています

一方で、アタックの本では、提示された局面は優勢なのかもしれませんが、強制的な勝ちや駒得が存在していません。少なくとも明白な勝ち筋が存在していません。そのような局面でどのように攻めを組み立てていくのかを教えてくれるのがアタックの本だと言えます。

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個人的な感想

読みずらい印象

正直言えば、私はこの本が少し苦手です。読みにくいという印象があります。もちろん、本自体が古いという問題点もあるのですが、それよりも個人的には文章が多過ぎると思います。チェスの解説ポジションに行く前に数ページの英語の文章が続くこともあり、集中力の維持が難しいです。文章など読まずに、さっさと局面のところから読み始めればいいのかもしれませんが、、、

読み手の努力が求められる

アタックに限らず、中盤本や棋譜集全体に読み手が頑張って考えながら読むことが求められると思います。特に、この本は古い本であるため、載っているラインが正しいとは限りません。今出版されている版ではJohn Nunnによる校正が行われており、コンピュータチェックが掛けられていると思われます。明らかな間違いに関してはNunn先生の容赦ないコメントが入っています。とはいえ、そのチェックが行われたのも随分前でしょうから、現代のエンジンでどんな評価になるかはわかりません。

また、自分が考えた手がなぜダメなのか、理由を考え、(エンジンなどで)確認しながら読み進めていくことが本当に力をつけることにつながります。

まとめ

本記事ではチェスにおける攻撃を扱った本の元祖ともいうべき古典、art of attack in chessを紹介しました。個人的には読みにくい本だとは思っているのですが、決して悪い本ではありません。局面を自分で考え、エンジンで変化を確認したりしながら読むことをお勧めします。局面によってはエンジンでの局面判断も難しい場合もあると思います。

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