現在行われているM-Tel Mastersで気になる棋譜があった。Ivan Cheparinov vs Bu Xiangzhi、最近自分もレパートリーに入れている、NajdorfのEnglish attackで黒がa5を突いてカウンターする変化である。
ここで白はQe1(AnandーVallejoでのアナンドの新手)としてdファイルのピンを狙う。黒はクイーンをよけるのだがQc7かQc8か迷うところではある。VallejoはQc8でアナンドに負けている。 Starting Out Sicilian NajdorfではQc7なんてどーよ?と書いてあり、このゲームでのBu Xiangzhiもそう指した。目につくNb5は怖くないらしい。しかし、本譜はBb5である。Nbd7、Qf2ときて
ふと思う。クイーンサイドからカウンターある?黒は本来カウンターを行うべきクイーンサイドを押さえ込まれ、攻めようとしても駒交換が進むばかり、結局白良しのエンドゲームにされてしまった。
個人的に棋譜を調べた時にはQc8でいいじゃないかと思っていたが、この棋譜を見てQc8じゃなきゃ駄目じゃんである。その理由はCheparinov自体が黒で示してくれている。きっとCheparinov黒できっちり研究していたのだろう。c7の地点はナイトのために空けておくべきなのだ。c7からはb5とd5の2点を押さえている。Bb5が入っていればさらに効果的だ。本譜ではQc7と指したためにこの可能性を閉じてしまった。Na6からb4に入る筋もあるがa4が突かれていないので(a3があるし)いまいち。それで本譜のNbd7となってしまったわけだ。
ちなみにQc8に対してBb5は自分のデータベースでは4戦で黒4勝。白は別の手を探さなければならない。ちなみにアナンドのa4も黒54%と勝ち越し。Qe1にはQc8!!そう確信して今日も枕を高くして眠れる。
コメント
> 結局黒良しのエンドゲームにされてしまった。
これは白良しですよね。
チェスの場合は、定石ではなくて定跡じゃないのかなと個人的には思うのですが、どうなんでしょうか?
> 結局黒良しのエンドゲームにされてしまった。
>これは白良しですよね。
確かに。直しました。
定石の方も自分としては特に何も考えていなかったんですが言われてみればそうだなと思ったので直しました。