Candidate 途中経過 After 10R

Candidateトーナメントも10Rまで終了しましたが、本日はレストデイです。お休みの日ですが、選手が観光などのレクリエーションをすることもあり、観戦勢には注目の一日でもあります(Candidateのような重要なトーナメントなので、レクリエーションに行かないかもですが)。

それはともかく、この8-10Rの経過をネタを含めて振り返っておこうと思います。

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10Rを終えた順位

3試合を終えて、ニポが単独トップになっています。トップタイだったMVLが一歩後退し、カルアナ、ギリがそこに並んだ形です。

Rk.NameRtg.Nt.Pts.n12345678Perf.
1Nepomniachtchi,I27896.510½01 ½½ ½11½ 12873
2Caruana,F28205.510½½ 1½½½0 ½1 ½2796
3Vachier-Lagrave,M27585.5101½ 0½ ½½½1 ½½2816
4Giri,A27765.5100 ½½½ ½½½ 1½12806
5Grischuk,A27774.510½ ½½½½½ ½½½ 02728
6Wang,H27634.5100½½½ 0½ ½1 ½½2739
7Ding,L27914.01001 ½0 ½½½0 ½½2700
8Alekseenko,K26964.010½ 00 ½½0½ 1½½2714

変動要因

8R カルアナーMVL 1-0

何と言っても8Rで、カルアナがMVLに勝ったのが大きいですね。MVLのナイドルフに対して鬼プリパレーションを使いました。MVLはほぼドローのエンディングまで粘ったのですが、負け。これでMVLはトップから落ち、カルアナは2位グループに入ります。

9R ギリーWang Hao 1-0

10R ニポーAlekseenko 1-0

8RではAlekseenkoがニポにわずか31手で負け。時間的にも早かったので、周りのボードでは「まじかよ」って思っていた人もいたのでは?

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今後の見通し

4.5ptのプレイヤーは残り全勝しなければ優勝の見込みはない気がするので、実際には5.5pt以上のプレイヤー4人の争いでしょう。当然ながら、1ptリードのニポが相当有利です。ポイントが並んだ場合には、直接対決の成績が優先されると聞いたので、既に直接対決の成績でニポに負けが確定しているギリがもっとも不利か?

優勝候補の今後の組み合わせ

ニポ
11R カルアナ 白番
12R Wang Hao 黒番
13R MVL 白番
14R Ding 黒番

カルアナ
11R ニポ 黒番
12R ギリ 白番
13R  Wang Hao 黒番
14R グリシュク 白番

MVL
11R グリシュク 黒番
12R Alekseenko 白番
13R ニポ 黒番
14R Wang Hao 白番

ギリ
11R Ding 白番
12R カルアナ 黒番
13R グリシュク 黒番
14R Alekseenko 白番

優勝候補同士のあたりは赤字で示しました。ニポがカルアナとMVLとの直接対決を残していますが、どちらも白番です。むしろ14RのDingとの黒番が注目かと。

ニポ視点

ニポ自身は残りをドローで終えれば、少なくともトップタイに立てる気がします。なので、なるべくリスクがないように進めつつ、他の人の結果を見ながら勝負に行くか決めるのかなと思っています。

カルアナ視点

11Rはカルアナとニポの直接対決ですが、カルアナが黒番なので、それほど無理しないような気がしています。ここで負ければ、完全にトーナメントは終了してしまいますからね。逆に白番二つで勝ちに行き、むしろ無理するとすれば13RのWang Hao戦なのではないでしょうか。

MVL視点

一番レートが低いAlekseenko相手の白番を残していることが一番のポイント。ニポとの直接対決で勝っているので、じつはAlekseenko以外にもう一人に勝てれば、優勝の可能性もある。そのためには13Rの黒番でニポに負けないことが最低条件。13RでMVLが直接対決で負けるようなことがあれば、戦犯として語られそうです。

ギリ視点

白番でAlekseenkoを残しているのが大きいが、ニポとの直接対決で負けている点、カルアナ相手の黒番を残している点で、この中では最も厳しい位置にいるか。

8ー10R レビュー

MVLの受難

8Rの負けに続いて9RでもDing相手の黒番で死にそうになる。なんとかドローで逃げ切ったが、ニポ相手の黒番がとっても心配。

元々MVLはオープニングチョイスが狭いと言われており、何を指すか予想しやすいので、オープニングプリパレーションにはまりやすいらしい。

10R Wang Hao – Alexander Grischuk

グリシュクは「時間切迫」中毒と言われています。10Rではその異名を裏切らない長考を見せてくれました。

グリシュク、cxd4に1時間以上掛ける

下記のcxd4に1時間以上かけ、時間切迫に陥ります。

Wang Haoなぜかクイーンをサクる

時間切迫に陥ったグリシュクを仕留めにいったのか知りませんが、Wang Haoはクイーンを捨ててツーピースを得ます。

グリシュク曰く

ワイが1時間12分考えたおかげで、相手にクイーンさくらせたで

いや、何言ってんだよ。

結局ドローに終わる、、

局面全然分からなかったんだが、結局ドローで終わる。なんだったんだ、この試合。

しかし、当のグリシュク様は、ワイの試合面白かったやろ、とどや顔。

その他の話題

MVLは準備不足?

元世界チャンピオンのKramnikからMVLに対して手厳しいコメントがあったようです。

昨年頑張って準備していたように思えない。タイトルを狙うには値しないんじゃないか、とのこと。厳しい。

Candidateでトップタイにいたのだから、必死で準備すべきだったとは思います。まぁ、やっていなかったかどうかは知りませんが。

みんなGrischukを煽りすぎ

Grischukの物まね

カールセン<br>(写真:wikipedia)
カールセン
(写真:wikipedia)

グリシュクの物まねするんだったら、もうこれしかないだろっていう手を指すのに1時間掛けるね。でも、この物まね、グリシュク自身の方がうまいんだもん

ワロタ

たったの1時間12分

予想どおりのcxd4をたったの1時間12分で指したよ!

みんなグリシュク煽りすぎ。

まとめ

Candidateトーナメントの8-10R、このあたりを抑えていれば、話に入れるかと思います。また次のレストデイに更新するかもしれません。

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