自戦記 from Japan League 2012 (3)

ジャパンリーグ自戦記2戦目は当然最終ラウンドのAlex戦です。Alexに勝つのは2回目ですが、レート2200overに勝ったのは初めてです。


□Averbukh, Alex (2224)
■Sakai, Enju (2017)

Japan League 2012 (7)


1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 a6 6. Bc4 e6 7. Bb3 b5 8. Qf3 Qb6 9. Be3 Qb7

ここまで定跡通りです。NajdorfのSozin (6. Bc4)です。ここまでAlex – 渡辺暁、Alex-南條もSozinになり2引き分けでした。
10. Bg5 Be7
ここで、白から定跡を外れますが、さほど問題がある手とは思えません。
11. O-O Nbd7 12. Qg3 Ne5!?


次のf4が気になりますがNc4として問題ないというのが自分の読みでした。しかし、13. f4 Nc4 14. Bxc4 bxc4 15. e5で白の攻めが加速します。正着は浮いてるd4のナイトを利用して13. f4 Qb6 14. Kh1 Qxd4 15. Rad1 Qc5 16. fxe5 dxe5でやや白良しです。いずれにしろ素直に12. … 0-0とするべきでした。
コンピュータは12. … b4を推奨しますが、Nd5と入られてややリスキーです。
13. Kh1 O-O 14. f4 Nc4


さて、Kh1、0-0と1手はさんだこのポジションはどうなのでしょうか?素直に前ポジションでの変化に従うと15. Bxc4 bxc4 16. e5です。ここで、16. … Nh5 17. Qh4に対してBxg5とNxf4がありますが、
Nxf4に対しては
18. Qxf4 dxe5 19. Qxe5 f6(下図)でピースを取り返せます。


上のポジションで黒がキャスリングをしていない場合を思い浮かべてみてください。Qxf4とした時点でf7のポーンに当たっています。18. … dxe5にはQxf7で白勝ち。
一方で、Bxg5の場合には
18. Qxg5 Qxb2 19. Nce2 dxe5 20. fxe5 g6でやや白良しですがいい勝負です。
しかし、キャスリングしていない場合には白に攻めのチャンスが生じます。
18. Qxg5 Qxb2? 19. exd6(下図)


Qe7#があります。黒としては19. … 0-0ぐらいしか無さそうですが、20. Qa5!で次にRb1でクイーンが捕まるので、h5のナイトをあきらめざるを得ません。
実戦はこの変化になりませんでしたが、ちょっとしたポジションの違いで局面の様相が全く変わってしまう好例です。
再びここで1ブレイク入れて次回に。

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