さて、3月の九州選手権以来の大会参加、そしてブログ投稿になります。今年は仕事の関係でAzumiさんは不参加。ひとり寂しい参加になります。
全日本選手権
全日本選手権は名前の通り日本一を決めるチェスの大会です。参加には権利が必要で、予選大会での成績上位者や直近のレーティング上位者などがシードされます。私は先日の九州選手権で権利を取っています。
大会形式なども近年の長い時間の大会と同様で、FIDE戦です。例年通りと言っていいでしょう。ただ、大会参加者が少し多いかなと思います。昨年も多かったかと思いますが、それよりも多い85名。個人的には少し多過ぎる気がするので、来年以降は予選枠の調整が行われるかもしれません。
今大会開始時の私のレーティングはFIDE1910、国内1901で全体の32番目になります。
以下の表記で相手の名前後に(FIDE/国内)でレーティングを表記しています。
1R VS J, L (UR/1925) 白番
白番フレンチで進みましたが、相手に不自然な手がいくつかあり、白優勢な下図の局面。何か決め手があってもおかしくないはず、と思い、1ポーンアップだと思って飛び込んだラインが17. Nd6??

指した直後にブランダーに気がつきました。
18. Bxd6 Qxg7 19. Rh7 Qxf6 20. Be7
クイーントラップです。負け。
2R VS S, K (1774/1685) 黒番
アラピンからクイーン交換になり、ドロー模様のミドルゲームでまた事件が起こります。なんか白マスがスースーするな、とは思っていたのですが。何も考えずに18.. 0-0-0とすると、、、

19. Bg7

エクスチェンジが落ちます。負け。二試合連続のブランダーで呆然と初日を終えます。
3R VS WCM M, R (1731/1673) 白番
3Rは女子オリンピアード代表のMさんと。負ける未来しか見えない、、、序盤は相当準備して(覚えて)来たようで、長々と定跡ラインが続きます。
相手がナイトフォークを狙って来たところで、エクスチェンジ切って戦うつもりが、おかわりで串刺しを喰らってダブルエクスチェンジダウンになります(今大会3度目のブランダー)。

ところが、オープンな局面でのダブルビショップが強く、うっかり逆転模様になった下図。Qf3で白勝ちらしいが、見つけられずNf7+でこれもドローっぽかったんですが、、、

最後はQh7(Qb1#狙い)からQh2(次にQg1からメイト狙い)の最善手を見つけられ、終了、負け。

そんなわけで3連敗してしまいました。うーん。
4R VS Y, Y (1776/1816) 黒番
3連敗同士で迎えた4R、相手は昨年の最多対局者賞を取ったYさん。二人ともこんなはずじゃなかったと思いながら対局していたはずですが、、、
前回の対戦時と同様に黒のc5にd5と突かないベンコーディクラインド(造語です)になります。
ほぼイコールで何度も白からはドローにするチャンスはあったと思いますが、最後は白が1ポーンを捨てて勝ちに来ました。実はここでも私のブランダーがありましたが、時間切迫の中気付かれず、、、
勝ち
5R VS D, S (1714/1672) 黒番
5Rの相手のDさんは外国籍の方で、Chess.comでトーナメントのブログを長らく書いています。試合前はシシリアンを用意していましたが、相手の初手はb3。
私はラーセン (1.b3)にはc5, d6, e5とポーンで相手ビショップを封じるセットアップを用意していますが、本譜は白がc4を突いてきたために白がクイーンサイドのフィアンケットをしたイングリッシュのような変化に。相手がポーンをd5と突いてきた判断がよくなく、白のキングサイドを攻めて勝ち。

6R VS E, S (1793/1763) 白番
3連敗の後の2連勝で、少し落ち着きを取り戻した私。白番でジュニア選手と相対峙します。カロカンのエクスチェンジから、白がキングサイド、黒がクイーンサイドのポーンを攻めるスピード勝負の戦いになります。
まず、下図の局面、Rf3ではなくRe3の方がQe1-h4が早くなると本郷のMさんに指摘され、確かに、というわけでスピード勝負でやや負けてしまった白。

それでも私はRe2からQe1とすれば大丈夫だと思っていたのですが、黒にQa6と回られ、e2にプレッシャーを掛けられて困ってしまいました。

負け。
Eさんはこの勝利も含めて最後5連勝の6ptで大会を終えています。これはちょっと強くなってきましたね。
7R VS K, N (1760/1758) 黒番
シニアのKさんとは前回も黒番でベンコーギャンビットになりました。少し変わったセットアップで、どう指せばいいのか分からない中、苦労してポーンを取り返せる局面になりました(下図)。

しかし、ここでNxb3とポーンを取り返す手はぬるく、勝ちに行くなら1ポーンダウンのまま、圧力をかけ続けるべきでした。本譜はただのイコールになってしまいました。ドロー。
8R VS T, M (UR/1619) 白番
前日に「ブログ拝見しています」と挨拶されたTさんとの対戦。山形の人だそうです。人気ブロガーとしてのプレッシャーを感じつつ対戦に臨みましたが、まだスコッチ対策はできていないようで、序盤早々でよくなり、そのまま駒得のエンドゲームになり勝ち。
9R VS J, S (1724/1765) 黒番
最終局は熊本大学チェスサークルの留学生との対戦です。昨年の九州選手権で対戦しており、その時には相手の序盤のミスで勝ちました。
このゲームはシシリアンロッソリーモから、ほぼイコール(と思われる)局面を続けましたが、チャンスがあると思っている場面でうっかりポーンが落ちるなど、今大会のパフォーマンスを象徴するような内容でした。それでも大きく崩れないようにドロー模様で指していましたが、最後に相手に大きな見落としがあり、チェックでピースが落ち、勝ち。
まとめ
以上のように4勝4敗1引き分けの4.5 ptでかろうじて負け越しを逃れました。
久々に酷いパフォーマンスでレートも大きく落としてしまいました。まだ現実を受け入れられていませんが、泣き言を言っても仕方ないので、次の大会に向けて精進していきます。
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