クイーンズギャンビットにも登場したポーン解説本

口イーンズギャンビットを視聴した方であれば、ベスが商店でチェス雑誌を万引きしたシーンを覚えているでしょうか?ベスはその雑誌の情報からチェストーナメントに参加するわけですが、その雑誌にPawn Power in chessという本の広告が載っていたことを覚えているのではないでしょうか。本日紹介するのはその本です。

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今回紹介する本:ポーンの力(チェストランス出版)

著:ハンス・モック, 翻訳:水野 優
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今回紹介する本はチェストランス出版の「ポーンの力」、原題Pawn Power in Chessです。

名前の通り、ポーンについて解説した本です。ポーンに関する本はそれほど数が多いわけではないですが、意外とそれぞれ個性があります。

私が気に入っているUnderstanding Pawn Play in Chessは孤立ポーンやダブルポーンなど、特定のポーン構造に典型的な手筋などを解説している本ですし、名著と名高いChess Structuresは特定のオープニングに典型的なポーン構造とその場合のプランについて解説しています。

本書は実はどちらとも異なっており、メインの内容は特定のピース(ビショップ、ナイト、ルーク)とポーンの関係性について解説しています。後半に特定のオープニングでのポーン形についても解説しているので、そこはChess Structuresとも近いと言えるでしょうか。

古さは気になるか?

というところは皆さん気になるところかな?と思います。もちろん、私も気になります。とはいえ、それはポーンの解説の部分というよりも、具体的な棋譜解析に見落としがあるのではないかというところなんですよね。内容を読んでいて、それはおかしい、感じるわけではなかったです。具体的な手順には間違いがあるかもしれないですが、そういう部分はこの本の本旨でもない気がするので、そんなに気にしなくてもいい気がします。

特殊な専門用語は無視していい

クイーンズギャンビットは1960年代のお話ですので、あれに出てきたということはこの本もかなり古い本で、初版発行は1959年です。古い本にありがちな話として、専門用語が確立されていない、あるいはその本の中で勝手に作ろうとするという傾向があります。この本もそのような傾向があり、現代のチェス本では聞いたこともないような用語が用いられています。

この本の第1部はほとんどが用語の説明に割かれているので、そこらへんはサクサクっと読みとばしてしまってよいと思います。

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まとめ

本書は中盤の解説書、と言えるでしょうが、ポーンにターゲットを絞った内容で、日本語のチェス本としては非常に珍しいと言えると思います。正直なところ、現代チェス界ではポーン関連で名著と呼ばれる本も出ているので、この本をすごく推せるかと言われると悩むところです。とはいえ、日本語で書かれているというアドバンテージは他には替えられないと思います。

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