久々の書評です。今回はチェストランス出版の「3手読んで勝つ戦術」です。
今回紹介する本:3手読んで勝つ戦術
タイトルから想像される内容は3手メイトや3手のコンビネーションの問題集という内容ですが、別に3手にこだわった内容ではありません。フォークや串刺しなどの戦術のモチーフごとに分類された問題集という印象です。
初学者から学べる内容ですが、問題の分量もそれなりにあり、ものすごく簡単な内容ということではない気がします。
本の特徴
やや変わった構成
初見で戸惑ったのが、問題が記載されている構成です。1ページに4つの図面があるのですが、左側の2つ、右側の2つが縦にセットになっており、上側が問題、下側が解答の図面です。ただし、このルールに従っていない図面もあります(問題に対して一つの図面しかないなど)。同じ番号が振られている図面が同じタクティクスのセットです。
また、図面には番号が付いていますが、その横にナイト(駒ではなく人型の兵士)の絵が描かれており、その色で手番を示しています。
私は冒頭の説明書きなどは読まないタイプなので戸惑いましたが、要するに上側の図を見て、問題を解いていくというのがこの本の読み方です。
カウンタータクティクス
この本の一番の特徴であると思ったのは、タクティクスのモチーフに対してカウンターの問題を用意しているところです。
例えば、ピンの次の項目が「ピン破り」であったりします。あるピースがピンになっているけれでもチェックで逃げられるなどのパターンです。このようなパターンはとても重要で、タクティクスが決まったと思って反撃をくらうのは初級者あるあるではないでしょうか。上級者でも見逃して負けにしてしまうこともよくあります。
タクティクスの問題というと、どうしても綺麗にタクティクスが決まる問題ばかり解きがちで、決まっているように見えて決まっていない場合というのは、実戦を積む中で失敗して学ぶことが多いのではないでしょうか。本の中でこのような形で学べる機会は少なく、貴重だと思います。
まとめ
今回はタクティクスのモチーフの基本を学べる問題集(と私は解釈した)「3手読んで勝つ戦術」の書評をしました。同種の「どうしたらチェスできみのパパに勝てるか」と比べると問題量がかなり多いです。チェストランス出版にはレーティング目安1100とありますが、よく見ると難しい問題もありますし、分量も多いので、初級者から中級者向けなのではないかと個人的には思います。
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