【チェス初心者?】なぜ時としてURは強いのか【詐欺レート?】 

My memorable gamesの記事を見た方の中には、「なんだ、初めから強かったんじゃん」みたいなことを思う方がいるかもしれません。しかし、私は断固としてそんなことはない、弱かった!と主張します。

チェスを始めて何年か経っている読者の方の中には、「チェスを始めたころの方が強かった気がするんだよね」という人もいるかと思います。私はそれには理由があると思っています。

本記事では、なぜ決して本当は強いわけではないURが時としてよいパフォーマンスを上げるのかについて議論します。

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なぜ時としてURは強いのか

URというのはunratingの略で、チェスの実力を測るレーティングがまだついていない人、つまりほぼ初めてチェスの大会に参加した人のことです。

もちろん詐欺URは存在する

URの中には海外でチェストーナメントに出ており、国内のレーティングを持っていないだけ、という方が一定数存在します。そのような人たちは当然初心者ではないため、強いです。

対戦相手も警戒する

URが好成績を挙げる要因の一つに、対戦相手の心理があると思います。URと対戦するというのはだれにとっても嫌なものです。相手のバックボーンが分からず、実力も未知であるからです。そのような状態では、ベストな手だと判断してもリスクがありそうな手は選択しない傾向にあります。そして、そのようなリスクのある手だけがよい手であるような局面であれば、負ける可能性が出てきます。

オープニングを外されて力勝負になる

初心者はオープニングを知りません。このため、上位者にとっても早々に知っている序盤から外れ、未知の局面になる場合も多いです。このような未知な局面では力勝負になり、アップセットも起こりやすいです。もちろん、オープニングから外れたことで一瞬で負けてしまうこともあります。そのような光景もよく見るのではないでしょうか。

読みの力には(それほど)差がない

力勝負で勝つならやっぱり強いんじゃない?と思う方も多そうです。私はそんなことはないと思っています。

これは私の私見ですが、純粋な「読み」の力では、個々人で大きな差がないと思っています。と、いうよりもたとえ読み量が10倍違ったとしても、コンピュータのようにしらみつぶしに手を探す場合には、せいぜい1手分の差にしかなりません。このため、読みの能力勝負になった場合(つまり力勝負)には、局面に差が付きにくく、上位者のちょっとした見落としでアップセットが起こります

初参加の大会の集中力

また、トーナメントの参加が日常になっているプレイヤーに比べて、初参加のプレイヤーの集中力は高く、実力を発揮しやすいと思います。これは私自身そうでした。初参加の柏オープンは20年近く前でのことですが、色々なことが記憶に残っています。その後数年間の大会での記憶はほとんどないのにです。もちろん、初参加で緊張して実力が逆に出ない人もいると思いますが、初参加の興奮で普段よりも高い集中力を発揮するような人は、強いURになるでしょう。

競技者としてのメンタルがある

これは将棋や囲碁などのトーナメントプレイヤーがチェスに参入してきた場合についてですが、他の競技のトーナメントで好成績を挙げているような人はトーナメントプレイヤーとしてのメンタルができています。不利な局面でも最後まであきらめない、手を指す前にブランダーではないかチェックをするなど、競技者として重要な要素を身に着けている人が多いと思います。一方で、チェスの大会に出ている平均的なプレイヤーは必ずしもできていません。この差が実は大きいです。

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その後伸び悩む人が多いという現実

私がチェスを始めた以降も、いきなり1800近くのレーティングが付いた中学生とか、2000越えの仮レートが付いた大学生などがいました。しかし、そういった人に対する私の印象は、「伸び悩む」または「いなくなる」です。最初に付いたレートが最高値のまま何年も伸び悩む人や、いつの間にかチェスの大会で見なくなる人が多いです。もしかすると伸び悩むからいなくなるのかもしれません。

本当に最初から強いのはアマ名人レベル以上

確かに、チェスの世界には最初からかなり強い人や、短期間で上位に入ってくる人はいます。私が知る将棋の元アマ竜王の方は数年で日本のトップクラスに入っています。しかし、将棋のプロ棋士でさえ、何年か頑張ってチェスに取り組んでようやくFMになっているという事実から目を背けるべきではないと思います。

この記事を読んでいる人の中で、腕に覚えがあったとしてもアマ日本一やプロ棋士レベルの方はほとんどいないはずです。つまり、チェスを始めた今のあなたは弱いはずです。もしかすると、レート2000ぐらいの人に1発入れることがあるかもしれません。でも、それはチェスが強い事とはたぶん違います。

本当に強くなりたいのであれば、最初に付いた仮レートの数字に惑わされず、自分の弱さを認めて謙虚に努力することが必要です。

まとめ

今回はチェスの大会の中で時として好成績を挙げるURの存在について議論しました。初めての大会で好成績を挙げる人はそれほど珍しくありません。そのことがモチベーションアップにつながることもありますが、その後の成長を妨げることにもなりかねません。常に自分を客観視することを忘れないでください。

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