東京オープン2014

お久しぶりです。
昨日までの3連休で行われた東京オープンに参加してきました。ジャパンリーグ以来の公式戦になります。


初日は池上会館で行われ、お祭り雰囲気の楽しげな池上の町並みを抜け、いざ会場へ向かいます。会場についてみると、「あれ?羽生さんがいる」。どうやら急遽出場を決められたようです。他にも意外と強豪プレイヤーが参加しており、僕は快速システムの上位側の下側で、もう少しレートが低かったらAクラス!?というレベルの高い大会になっており、これでは優勝争いにからめそうにはないなぁ、とやや意気消沈しました。


1R vs 山田弘平君(2234)白番 ドロー


1Rはなんだか最近良くあたるなぁという感じの弘平くんでした。Grunfeldのexchange Variationで進みましたが、黒は序盤でc5のポーンを落とされ、さらにクイーンサイドを攻め立てて、なんと3ポーンアップになりましたが、時間切迫もありそこからピースを完全に縛られた形のエンディングになりドロー。幸先がよいのか悪いのか分からない出だし。


2R vs G, L (1959) 黒番 ドロー


ジャパンリーグに続いてあたってしまいました。確かオーストラリア出身の少年です。今回は白黒逆になったKing’s Indianです。Na6 Variationから、白がNe1と指してきたのを見て、覚えていたNd2に対する変化をそのまま指したところ、Qd5+を食らい、ポーン構造が崩壊しました。そうです。Ne1とNd2の違いはクイーンにとってdファイルがあいているかどうかだったわけです。その後、ポーンが落ちて必死の防戦。かなり厳しかったですが、相手パスポーンにピースを切って、最後はルークvsルーク+ナイトでドロー。
初日の二試合はレート的に上でしたし、まずまず。
二日目からは蒲田のPIOに会場を移します。


3R vs S, M (1417) 白番

先日行われたユニバーシアードの女子代表だったSさんとの対戦。1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 e3とするスラブから、互いに逆にキャスリングして攻めあいました。白がキングサイドを攻めていますが、自分としては確実な決め手が見つからないところで、相手のブランダーが出てポーンが落ち、直後に時間も落ちました。僕としてはまだ難しい局面だと思っていたので、彼女にとっては少し残念な対局でした。


4R vs M, T(1516) 黒番

白がフィアンケットするKing’s Indianから、Bxf3からナイトがd4に入る得意の形に持ち込み、クイーンサイドのポーンを取って勝ち。
二日目を終えて、それほどよい試合はしていないが、致命的なミスも無く落ち着いてさせている。調子良さそうだな、と思っていました。そして、帰り道、ちょっとしたサプライズ情報が入ってきました。5Rの相手は羽生さんとのこと。なんと!ただ、今大会の羽生さんは1900台とのドローもあり、あまり調子が良くなさそうです。落ち着いて指せばチャンスはありそうだ、と言い聞かせて対局に臨みました。


5R vs FM 羽生さん (2433) 白番


 当然のようにslavを予想して対局に臨みましたが、黒の初手はNf6。そして二手目のc5を見て、え、ベノニ?それともベンコーなのか!?とやや動揺しましたが、心を落ち着けて指し進めます。結局ベノニでした。最近勉強しているベノニのややマイナーなライン(Nge2)を公式戦ではじめて試しました。羽生さんは少し時間を使われていましたが、定跡自体はご存知のようでした。それでも、クイーンサイドのピースを放置してh4, g5, f5と3手で指してきたのには驚きました。対局中はこれは白が良いはずだと思っていましたが、どうやらunclearなポジションだったみたいです。白もセンターから真っ向勝負で受けてたちます。


 互いのメジャーピースが白のビショップを挟んで対峙した形で黒からのBd4+, Kh1で、あれ?バックランクのせいでビショップがピンになっている?h3としてもg3としても駄目で、これはまずいのでは!?と一瞬愕然としましたが、よく見ればRf3とすればピンが外せます。明らかにこの手がポイントでした。なぜなら、次の手で黒のexchange sacrificeが飛んできたからです。


 羽生さんが黒の局面を良くないと思っていることは明らかでした。問題は僕が正着を見つけられるかどうかということです。幸運なことに時間もあまりありませんでしたが、ちょっとしたタクティクスで局面を単純化することに成功しました。ルーク+クイーンvsビショップ+クイーンで黒が1ポーンアップです。ここでの僕のプランは何とかして1ポーンを掠め取ってクイーンを交換すれば勝てる、でした。実際にこのプロセスに成功し、勝ち。最後まで落ち着いてさせたと思います。


 この試合が僕にとってマスター相手の記念すべき初勝利になりました。これが生涯最後にならないようにこれからも精進していきたいと思います。
と、締めの言葉を書いてしまいましたが、大会はまだ続いています。僕はここまで4ptで2位タイ。アレックスが1人4.5 ptなのでまだ優勝のチャンスがありました。


6R vs 小林厚彦君 (2187) 黒番


 どうも前のラウンドの高揚感が抜け切らないうちに対局に入ってしまいました。ただ、オープニングは黒の思い通りに進み、白のh3を突くKing’s Indianに対し、やや優勢な局面のままエンドゲームに進みます。エンドゲームに入る瞬間に白からのドローオファー。当然断りますが、これがさらに心理的な悪影響を生みます。エンドゲーム突入後数手後に思い違いがあり、そこから一気に崩れてしまいました。そうは言っても2ポーンダウンながらまだ粘れる局面だったんですが、最後は盤中央でメイトを喰らい負け。どうもエンドゲームでタクティクスを見ていない傾向があります。


というわけで、最後に落ちがついてしまいましたが、東京オープンはまずまず悪くない大会だったと思います。特に試合内容は全日本、ジャパンリーグよりも良かったと思います。これで3大会連続でレートを大きく上げ、ほとんど不振に陥る前に戻しましたと思います(しかし、2000台にはまだ届かない模様)。仕事の関係上ジャパンオープンには出られませんが、年内のどこかでチェスに触れたいと思います。

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