初心者向けシリーズ①ータクティクス?ーでは?マークを付けてタクティクスとまでは言えないような内容についてお話ししました。今回は初心者の方でも知っておいたほうがいいかなと思うような「タクティクス」について2点紹介します。
まずタクティクスとはなにかについて述べておきます。タクティクスとは比較的短い手数(1手から10手ぐらい?)で強制的にチェックメイトや駒得(場合によっては引き分け)などの自分に有利な結末を実現させる手順やアイデアのことです。
1.バックランクメイト
一つ目はバックランクメイトです。
バックランクとは初期配置でキングやクイーンなどの駒が並んでいる、一番端の横1列になります。白なら1段目、黒なら8段目です。
なぜこのバックランクが重要になるかというと、チェスの初期配置はポーンが2段目に横1列で並んでいますよね?そういう場合、このバックランクでキングが窒息する(チェックメイトにされる)事態が起こりがちなのです。
上図では黒のキングは横方向にしか動くことができません。ですので、横からチェックをかければメイトになります。
1.Re8#でメイトです。
このバックランクの考え方を応用するとより楽しいタクティクスが生じます。
上の局面、白のクイーンが攻撃されていますが、黒のキングはバックランクに閉じ込められているので、それが利用できます。
今、攻撃しているルークをクイーンで取ってしまうとどうなるでしょうか?
上図のようになります。この白クイーンは黒クイーンで取ることができますが、
黒がQxd5としてクイーンを取ると、Re8#でチェックメイトになります(下図)。
この例のように相手のキングがバックランク内でしか動けない場合にはバックランクメイトの狙いが生じ得ます。
一方で、自分のキングがバックランク内でしか動けない状態にないかどうかも気を付けるようにしてください。初心者のうちは、これを見逃してチェックメイトされてしまうことも多いはずです。
2.ピン
二つ目はピンです。
ピンは「針で止める」という語源で、駒が動けなくなっている状況のことを呼びます。
上図のような状況がピンです。左図では矢印のように白ビショップがキングを狙っているため、黒ナイトは動くことができません。チェスでは、自らチェックを受けるような手を指すことは禁止されているので、ルール上ナイトは動けません。
一方、右図ではルークがナイトを挟んでクイーンを狙っています。この場合にはナイトは動くことができますが、強力な駒であるクイーンを取られていしまいます。
そして、このピンの状況を放置していると駒損につながる可能性があります。
典型的なパターンは下図のような場合です。
黒のナイトはクイーンによって守られているので、一見問題がなさそうですが、、、
1.c4!
痛たた、ナイトはピンにされていて動くことができませんので、ポーンに取られてしまいます。このようにピンである状況を放置していると、ピンにされている駒を攻撃されて取られてしまう可能性があります。
最後にピンに気を付けるために意識することについて述べておきます。ピンは縦横のラインや斜めのラインで生じます。ですので、自分や相手の駒同士の配置が縦横や斜めに並んでいるかどうかは常に意識しましょう。というか、チェスに慣れてくると、自然にそのような感覚が養われていくと思います。
上図では、黒の駒の並びに対してどのようなピンの可能性があるかを矢印で示しています。局面を見た際にこのような可能性にすぐに気が付けるように鍛錬をしていきましょう!!
タクティクスのモチーフについてさらに学びたいという人には、日本語で下記の本があります。
英語が苦にならないという方ならWinning Chessシリーズのタクティクスが初級者にはよいと思います。
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