今年も二人揃って全日本選手権に出ることができました。みなさんよろしくね。
全日本選手権 2026
今年もゴールデンウィークがやってきました。昔に比べればラウンド数も減りましたが、せっかくの連休をチェスに捧げる狂気のイベントです。
予選の記事で何度か書いた通り、予選の規定が変わり、予選を突破できる人数が減ることが予想されました。実際、昨年の85人から67人と参加人数が減少しました。
また、昨年の大会成績やレーティングで全日本の権利を取得していたプレイヤーはほとんど予選には参加しておらず、コンディション的にはどうなのだろうと個人的には思っています。厳しい予選を突破してきた下位者と半年大会に出ていない上位者の戦いになれば、序盤ラウンドは荒れた展開になると予想しますが、どうか?
大会開始時の私のレーティングはFIDE1880、国内1896です。
1R VS A, P (UR/UR) 白番
初戦は外国人の方でした。苗字がアガサ・クリスティーの某有名作品に出てくる苗字と同じで、ちょっとワクワクしました。

Nf3の前にBb5にでるロッソリーモで、白が手得して指しやすいと言われる変化ですが、本譜はc4とポーンを突かれて、このポーンをどうするか少々困っていました。白のa4は黒からのb5を防ぐとともにa5からRa4を狙っています。

ピンになっているクイーンを利用して、白は簡単にポーンを取れてしまいました。黒はこの前の数手をもう少し工夫ができたと思いました。

ややびっくりのポーン突きですが、黒はe5に対してBxe5からのナイトフォークを見ています。
16.e5 Bxe5 17.fxe5 Nxe5 18. Qg3 Nxc4 19.dxc4

黒ルークと1ポーン、白ナイトビショップの戦いです。正直1ポーンであればツーピースの方が明らかに強いと思うので、白優勢です。本譜ではQxg3+とクイーンを交換してきましたが、Qc5などとしてポーンを取りに行った方が、実戦的には難しかったと思います。
この後も長かったですが、たぶん危なげなく勝ち。
2R VS Y, K (2080/2105) 黒番
コロナ明けぐらいに大学将棋界からチェス界に参戦してきたY君も社会人ですかね(知らんけど)。序盤はToromposky風に進み、白のh5に対して、そんなん成立してないでしょ(知らんけど)と無視してbポーンを進めます。白はキングの置き場所に困るはずという読みでした。

白のポーン突きを許しながらも下図e5が入って主導権を取ったと思った私、

これはいけてる!と思っていたのですが、エンジンの評価は+1ぐらい。まじか。
そして、下図でどや顔でピースを切ったのですが、Qxg5とポーンを取れば何とか戦えるよ、というのがエンジンの評価でした。

まぁ、でも相手のY君も負けたと思ったと言っていたので、まぁ、実戦的には悪くなかったのでしょう(知らんけど)。この後黒に不正確な手がさらに出て、負け。
3R VS H, T (2117/2128) 黒番
いつもお世話になっているHさん相手の黒番です。普段一緒にご飯食べたりしているのでやりづらい、、、ということはないのですが、1勝1敗で迎えた3Rの相手としてはちょっとキツイ。
説明するまでもないですが、Englishから始まります。

私はc5, d6, e5とd4のマスを強く抑えるポーン構造のセットアップを準備しています。白のBd2はNd5からb4を突くことを志向した手で、以前も同じ組み合わせで指されたことがある気がしますが、やはりあまり対策できてない気がします。

白のb5が形を決めてしまう手で、よかったのかどうかわかりません。長期的には黒はb6のポーンを狙われてきつくなることが見えているので、センターからキングサイドでどう反撃を作るかが戦いのポイントになります。

黒はセンターポーンを突いて調子が良いようですが、g7のビショップ以外のマイナーピースを交換する手順が見えており、g7のビショップはあまりよいピースとは思えないので、苦しいなぁと思っていたところで見ていなかった手が飛んできます。
25. Rxe7 Qxe7 26.Nd5

指されて見て、なるほどこの手順も厳しいな、と思わされました。Bxd5から相手にツービショップを与えてしまっては、駒割り的にも得をしているか微妙ですし、じっと我慢して避けるしかありません。

じっと我慢をつづけていましたが、ここでチャンスが訪れます。Qh6+は気になりますが、メイトにはならないのでOKという判断です。e3のビショップが邪魔してクイーンはチェックするぐらいしか手がありませんし、Nxe7と替えてしまってはb6の弱点が活きません。
43.Qh6+ Kg8 44.Bd2 Bxh4!

ピース切りからのパぺが入り、ドローになりました。ドロー
4R VS FM J, S (2054/1994) 白番
お相手のJさんは何年か前から日本で活動をしている外国人のFMの方です。80歳を超える高齢ですが、外国の地(日本)でチェスをアクティブに続けている姿は素直に尊敬します。

カロカンのエクスチェンジバリエーションから、黒のセットアップはあまりよくなさそうに見ていましたが、白のうまく咎められず、ポーンブレイクを許します。しかし、ここは黒におそらく読み抜けがありました。
20.fxe5 fxe5 21.Bb5

e5のマスを守っているピースのうちの一つ(e8のルーク)を攻撃する、いわゆる中間手です。
21... Re7 22. Ng4

e5のポーンがピンになったため、黒はexd4を取ることができなくなったことが、Bb5のポイントです。
22… e4 23.Nfe5 Qd6 24.Qe3

このあたりで勝ちを意識しました。Qd6の位置がよくなく、次のNh6+の狙いが強烈です。Nf7からのナイトフォークも見えるので、黒厳しいと思いましたが、まだそんなに簡単ではありませんでした。

1手前にNh6+からQxh6が入り、Rxf8#の狙いがあるので簡単に勝ちだと思っていたらRg7がありました。e5のナイトを簡単に清算されてしまっては、白の攻めがなくなるので、駒交換をし過ぎないように慎重に指し進めます。

次にQf4からRf8+などを狙っています。とはいえ、まだ明確な勝ちのプランが見つかっていなかったのですが、相手の時間切迫もあり、突然勝負が決まります。
35… Nd8 36.Qf4 Nf7? 37.Qb8+ Nd8
ぎりぎり何とか守れているようにも見えますが、、、

38.Rxe6!

いわゆるオーバロードです。この後すぐに白勝ちになりました。勝ち。
5R VS D, M (2082/2146) 黒番
5Rは北海道在住の外国人の方との対戦でした。ベンコーのマイナーラインで、うまく指していたつもりだったんですが、、、

Qb4と入ってb2とe4を狙っていい感じだと思っていましたが、この後がなかった、、、

やることがなくて困ったc4ですが、e5と切り返されて(Bxc3を防ぎます)一気に崩れました。ここはずっとやりたくなかったRxa6を指すとほぼほぼイコールとの評価でしたが、難しい。負け。
6R VS M, K (UR/1814) 白番
ユース時代に活躍していたイメージのある現大学生のMさんとの対戦。

白はビショップを2回動かしましたが、e6を突いたためにBd7ができないことと、f5のビショップ自体が危ないというのが主張点です。

黒は相当困っており、Rg8からg5という苦肉の策としか思えないプランを繰り出してきました。いくら何でもそんな攻めは成立していないでしょう、、、と思ったのですが。

エンジンによればすでに対処が悪いようですが、この手はいけません。Be4で白厳しい。

このあたり、私的には絶望していたのですが、まだ、全然戦えたみたいです。本譜はNd6+と飛び込んで負けに行ってしまった感じになってしまいました。負け。
7R VS A, T (1842/1807) 白番
前日に2連敗をしてしまい、どうにかイーブンに戻したい7Rでした。相手は年齢的にはかなり年上ですが、確かチェス歴は10年以内くらいのAさん。ちょっと記憶がないのですが、一度くらいは対戦経験があった気がします。

カロカンエクスチェンジのマイナー変化になりました。
いったんQa4+とし、ビショップをd7を下がらせてからQc2とすれば白が得をしている形です。本譜もそうなりました。

具体的にどうすればいい、ということは分かりませんが、さすがに白がよいでしょう、という局面になりました。

黒は本譜のようにクイーンサイドのポーンを突いて反撃をするしかないでしょう。白は当初の狙い通りにキングサイドを攻めるプランもありますが、私は別の筋を選びました。
17.b4 Nc4 18.Nb6

b4を突いたことでc3のポーンの弱さが気になりますが、Nc5と塞いでしまえば問題ないというのが白の主張です。ちなみに、Nex5+からRxc3でポーンが落ちるように見えますが、Bxh7+から逆にエクスチェンジアップになることもここでのポイントです。

黒はピースを組み替えてきましたが、このナイトの飛び込みはNxd7からポーンが落ちます。
本譜もその通り進み、勝ち。
8R VS N, R (1756/1968) 黒番
8Rは千葉選手権の最終ラウンドで敗れた小学生になります。序盤は加速ドラゴンになりますが、やはりほとんどノータイムで指し進めながら序盤に付いてきます。局後「自分はオープニングプレイヤーじゃないから」というような発言があったのですが、正直日本でこれだけ序盤がさせれば、オープニングマニアの領域なんですよね、、、
おそらくコーチをつけてトレーニングをしているのだと思いますが、相当鍛えられている印象です。

とはいえ、加速ドラゴンは私も相当用意しており、白が考え込む時間(数分程度ですけどね)も増えてきました。上図は黒が次にBh3を狙っており、白としては気持ちが悪いところ。
14.Kh1 Qh5 15.c6 Be5 16.Bg1 Nxd4 17.cxd4 Bd6

と、ここまでが私の準備で、白にここまでついてこられてしまっては仕方ないよねと思いつつ、それでもf3のポーン形などで黒の方が指しやすい気はします。

この後、うっかり黒はポーンを落としますが、それでも異色ビショップのおかげでドローにはできました。ドロー
9R VS WCM Azumiさん (1843/1794) 白番
最終ラウンドにAzumiさんとあたってしまいました。めんどくさい。正直ドローでよかったのですが、、、、

上図のようなポジションになってしまえば勝ちにいくしかありません。

やや駒を交換しすぎてしまった感がある局面ですが、それでも攻撃的な局面を維持しています。ここでもしBxh6を指せれば、攻め切ることができたのですが、ちょっとリスクを背負えませんでした。

そしてドローオファーを受けた直後にブランだーがでます。うん、h3が落ちてる。本局、全体的に集中力を欠きました。この後も長々続けましたが、エンドゲームを勝ち切られました。負け。
まとめ
そんなわけで3勝4敗2引き分けの4ポイントで2年連続の負け越しとなりました。いやぁ、最終ラウンドがなければ全く問題がない全日本だったのに。これは組み合わせが悪い!私、悪くない!そう自分に言い聞かせながら、次の大会に向けて精進します。それでは。
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